「非同盟諸国外相会議」のカラカス政治宣言

上記の会議が7月20日、21日ベネズエラの首都、カラカスで開催されました。
正式名称は「非同盟諸国運動調整ビューロー閣僚会議」というのだそうです。

その会議の「宣言」が発表され、その抄訳を新藤さんが訳されています。大変ありがたい話ですが、それでさえも法律用語風の言い回しで相当読みにくい。

そこで私が勝手に10分で読めるように縮めて言い換えて、読み物風にまとめました。大事だと思うところはゴシックにしています。

もとより正確さにかけているので、気になる方は新藤さんの本文をご覧ください。

はじめに

私たちは…特に平和の推進と国際法を順守する緊急の必要性について率直に討議した。
そして反戦勢力、平和愛好勢力として非同盟運動の役割を果たすために、以下のことを決定した。

平和と国際安全保障の維持のためには、諸国家が国際法の諸原則と国連憲章に従うことが重要である。
とくに主権、政治的独立、加盟国間の国境の不可侵を尊重することを再確認する。

平和的手段を通じた国際紛争の解決を推進する。国連憲章の原則に違反する力あるいは脅迫、軍事侵略の行使を慎まなければならない。

単独行動主義について

特定の国々により押し付けられた単独行動主義的な措置に反対する。
単独行動主義は国連憲章、国際法、人権の侵害を生み出し、国際関係に否定的影響を与える
非同盟諸国にたいし、単独行動主義にもとづく一方的な経済制裁、威嚇的・一方的な制限を慎むべきである。それは主権と独立、貿易・投資の自由に脅威を与える。
非同盟諸国のみずから決定する権利を妨害してはならない。それは国連憲章、国際法の基準と原則に対する重大な侵害となる。
単独行動主義的な措置は逆転されるべきである。こうした措置や法律は即時に廃止するよう要請する。

被害国との連帯

侵略行為あるいは単独行動主義は国際法違反である。それによる被害は賠償されるべきである。

単独行動主義が非同盟諸国、とりわけ発展途上国に圧力をかけるために行うレッテル貼りに断固反対する。

外部からの力の行使の脅迫、侵略行為、抑圧的な措置の被害を受けている諸国民との連帯を引き続き強化する。

以下略


ユニラテラリズム(単独行動主義)とマルチラテラリズム(多国間主義)

マルチラテラリズムは非同盟運動の最も基本的な理念の一つです。非常に訳しにくいのですが多方向主義とも訳せます。三カ国以上でやる交渉ならマルチラテラリズムですが、たとえばサミット会議などはマルチラテラリズムとは言いません。大国間の談合はそもそも多国間主義の理念に反するのだから当然です。これは普通「多極化論」と呼ばれます。

これらの合意形成過程を一切無視して、大国が自らの意見を一方的に押し付けるのがユニラテラリズムです。「無理が通れば道理が引っ込む」ことになるので、ユニラテラリズムは本質的に間違っています。

これができるのはアメリカしかありません。だから「単独行動主義」というのは、反多国間主義のことであり、事実上アメリカの覇権主義にほかなりません。

多国間主義の立場に立つ非同盟運動は、単独行動主義と原理的に相容れません。ここがベネズエラやニカラグアの問題を考える上でのキーポイントだろうと思います。

何れにしても世界の国々の3分の2を結集する非同盟運動が、メディアの大宣伝を打破し、単独行動主義との対決を打ち出したことの意義は決して小さくないと思います。