July 2019 「米国はキューバ、ニカラグア、ベネズエラへの攻撃を強化している」
Intensification of US aggression against Cuba, Nicaragua and Venezuela

4月16日、ジョン・ボルトンが「ピッグス湾の侵略に参加した退役軍人の会」に出席し演説した。
彼は述べた。「トランプ政権は民主主義、主権、安全、法の支配を擁護する。モンロー・ドクトリンはいまも生きている」

この200年も前に宣言されたモンロー・ドクトリンは、アメリカがアメリカ大陸を好きなように形作る「権利」としてずっと主張されてきた。

ボルトンは、キューバ、ニカラグア、ベネズエラを「専制のトロイカ」だと決めつけ、新たな経済制裁策を発表した。

彼は、この「トロイカ」が崩壊すると、アメリカ大陸は「雪をかぶったカナディアン・ロッキーから輝くマゼラン海峡まで、人類史上初めて自由な半球になる」と宣言した。

モンロー・ドクトリンのこの非常に危険な復活は、「民主主義」とも「人権の尊重」とも何の関係もない。しかしアメリカの経済的権益擁護と左翼政権を排除することには深い関係がある。
ロシアと中国は米国を「世界を不安定化させ国際法に乱暴に違反している」と非難しており、このところの状況は、冷戦時代以来見られなかった対立を露わにし、世界を危険にさらしている。

ニカラグアに最も壊滅的な影響を与える制裁措置はNICA法である。それは「米国は国際貸付機関にたいし、ニカラグアへの貸付を行わせないよう阻止する」と定めている。政府の財政困難を駆り立てている。

国連の特別報告者 Idriss Jazairyは、政治的な目的のために経済制裁を使用することは人権と国際法の違反だと言う。 
「そのような行動は、一般の人々が見せしめや人質にされてしまう。それは前例のない人道的な災害を引き起こす可能性がある」

和平交渉と恩赦法

2月26日にニカラグアの世論調査会社が行った調査では、回答者の90%以上が、家族や地域社会の幸福を保証するために対話、平和、安定を望んでいると回答している。

このような背景の下、政府代表と野党「正義と民主主義のための市民同盟」による交渉が開始された。 協議には、OAS代表や教皇庁代表が立ち会った。

重要な合意がなされている。一つは市民の権利を強化するための手続きに関するものであり、もう一つは昨年の暴力に関連して拘禁された人々の釈放である。それは国際赤十字委員会によって監督されていることになっている。

国会はこれを受けて、2018年4月18日以降の全国で起きた事件で、すべての関係者に完全な恩赦を与える法律を承認した。
政府は市民同盟の反対派逮捕者を釈放した。さらにOASが関与して、選挙改革のための検討プロセスが再開された。

なお保留されている問題は次のとおり。
① 暴力事件に関連して国外逃亡した人々の帰還を許可する。 
② NICA法という違法な米国の制裁措置の停止。それは国の最貧者、最も脆弱な分野に対して度外れに悪い影響を与えている。

「正義と民主主義のための市民同盟」は、政府との交渉を担当する主要な野党グループだった。
しかし、先行きは不透明である。反対派を構成している70の組織のうち多数は、政府との和平交渉をやめて、米国がさらに制裁を強化するようもとめている。

米州機構のアルマグロ事務局長は、囚人の釈放が大幅に進んだことを確認し、ニカラグア政府が健康と教育の改善を進めていると称賛した。 
このため、アルマグロはSNSでは過激派に非難された。

私の疑問

1.ボルトンの主張は、ある面では「正しい」のだろうか?
2.NICA法は、民主主義を守るためには必要なのだろうか?
3.交渉を拒否する野党強硬派の立場は、支持しうるものだろうか?
4.「専制のトロイカ」を打倒することは、民主主義の実現を意味するのだろうか?