タイの情勢は相当厳しいようだ。
軍と反タクシン派、ひっくるめて反民主派と言っていいのだろうが、彼らがかなり狂気を帯びてきている。
多分そういう状況の反映なのだろう。

今年のミス・ユニバースのタイ代表に選ばれた女優ウェルリー・ディサヤブットさん(22)が、代表の座を辞退しました。
フェイスブックで、タクシン派を「反王室」と批判。「全員処刑されるべきだ」と書き込んでいたことが発覚しました。


妙齢の美女が「皆殺しだぁ!」と叫ぶ状況そのものがいかにもおぞましいが、二つの論理があって、それがともに独断と偏見だ。
一つは「タクシン派」=反王室派=非国民だとする独断であり、もうひとつは非国民であれば殺しても構わないというサロメ的発想である(日本の嫌韓右翼もそこまでは言わない)
ミス・タイという社会的影響力を考えれば、それは殺人教唆にも近い。
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タイはこれまで何回もクーデターを経験してきたが、ここまで理性や倫理を失ったクーデターは初めてだ。反民主派が相当追い詰められていることの証拠ではないだろうか。三つ指を掲げただけで逮捕とは常軌を逸している。私の持論だが、人間はなんにもなしに凶暴化することはない。必ず被害者意識(でっち上げられた被害者意識)、やらなければやられるという脅迫感が存在する。

二度にわたり総選挙で成立した合法政府を暴力的に倒し、国際的な非難も強まるなかで、彼らは孤立感を深めている。それが彼らを暴力思想に駆り立て、凶暴にしているのだろう。
このようなお嬢さんが自分の頭で考えて出した結論ではないだろう。誰かがそのような方向で扇動している。ルアンダで隣人殺しを煽ったラジオのキャスターのように…

こういうなかで総選挙実施のスローガンを前面に出すのは危険がともなう。もちろんそれは最終的には民主主義の証として必要だろうが、まず和解政府の樹立が先決だろう。

そして暴力思想の孤立化を目指すことだ。彼女が人間性を取り戻し、心から発言を恥じるようになるまでは粘り強い運動が必要だろう。

ネットではもう少し詳しく書かれている。

ウェルリーさんは西部カンジャナブリ県出身で、身長170センチ、体重54・5キロ。タイ国立カセサート大学人文学部で学ぶかたわら、女優、テレビ番組の司会者としても活動中だ。

 ウェルリーさんは5月の選考会でタイ代表の座を射止めた。しかし、地元メディアによると、昨年11月にフェイスブックで、タクシン元首相支持派を「反王室」と批判。「これら悪の活動家には大変憤慨している。全員処刑されるべきだ」などと書き込んでいたことが発覚した。
 ウェルリーさんは「不適切」だったと認め謝罪したが、タクシン派の反発は強く、代表の資格を問う声が上がっていた。地元メディアによれば、9日記者 会見したウェルリーさんは「私が栄冠に輝いた時、家族は喜んでくれたが、世間の批判が高まり、幸せではなくなった」と涙ながらに語った。

ミスタイ
こういうのをワニの涙というのあろう。「タクシン派」を殺すときも、そうやって随喜の涙を流すのだろうか。
「不適切」かどうか、ということはやりかたの問題だ。それは、「思いは間違いではない」というのと同じことだ。
何年か前に、自民党の女性議員がワイドショーで陰湿な生活保護いじめをやって、それが反撃されると自分が被害者であるかのように涙を流したことがあった。

「女のいやらしさ」を見せつけられたみたいで、ひどく気分が悪かった。思い出すだけでも吐き気がする。


時事通信の配信だが、「処刑」という言葉の真偽ははっきりしない。

驚いたことにもうWikipediaに Weluree Ditsayabut の項目がある。しかも9日の辞退のことまで記載されている。

ここで引用されているのはバンコク発ロイター電。

Thai beauty queen quits after calling for ousted PM's supporters to be executed

というのが見出し。

Miss Universe Thailand has renounced her title over remarks she made on social media including one that redshirt activists should all be executed.

…comments she made months earlier soon surfaced, … referring to the redshirts, which said: "I am so angry at all these evil activists. They should all be executed."

となっており、時事通信はこれを拝借したのではないだろうか。

Bangkok Post では以下のように書かれえいる。

According to a Khaosod report, Fai on Facebook in November accused pro-government red-shirt supporters of being anti-monarchist, and said that the country would be cleaner without them.

ここでの内容はいわゆる「民族浄化」である。ただタイは現在検閲下にあるから、タイの現地紙だから正確ということにはならないのも事実である。