以前にも述べたが、鳥の脳というのは最も優秀な脳である。
容積あたりの能力は人間の1千倍くらいはあるのではないだろうか。
なぜそれだけの容積あたり能力が実現できたかというと、長年かけてじっくり進化してきた正統派の脳だからである。それは汎用型コンピュータではなく、それぞれの機能が独立ユニット化されている。軽量小型化できるのである。
人間の脳の80%は電線だ。しかも被覆電線だ。「複雑な回路を通って処理されるから、高度な判断が可能なのだ」というが、それは負け惜しみに過ぎない。
こういう不様な脳になったのは、恐竜が絶滅したからだ。日陰に隠れ、夜に手さぐりで活動していた哺乳類がほりだされ、いきなり主役のバトンを引き継いだからだ。
しかも哺乳類の中でも最も原始的だったモグラやネズミの属から、樹上生活を送る霊長類が出てきて哺乳類のトップになってしまう、という二重の混乱があって、そのなかでホモ様が抜け出してきたのだ。
人間の脳はもともと王者になるようにはできていない。応急措置や増築・改築を重ねてとりあえず鳥並に使えるような脳になった。それがエレクトスになって言語能力が発達したから、他の種と隔絶した力を身につけるようになったのだ。人間の力の源は言葉なのだ。

人間は謙虚にならなければならない。日本が飛躍的に発展したのは明治維新の後と第二次大戦の敗戦の後の2回だけだ。そのとき日本人は謙虚になりひたすら学んだのだ。
「クール・ジャパン」などとひとりよがりしていても進化はない。