欧州危機以来あまり経済の勉強をしていない。ということはあまりスティグリッツを読んでいない。

とりあえず、ここ1年の日本語ソースをさがす。ほとんどが有料版だ。昔はもう少し読めたのだが…グーグルは有料版を除く検索ができないのか。(考えてみればあの頃は英語で読んでいたんだよね。すっかり退歩してしまったようだ)


1.対中貿易摩擦

二国間貿易の赤字に集中するのは愚かだ。

ブードゥー経済学を今さら議論する意味はすくない。
問題は行動パターンの悪質さだ。

トランプが国境の壁の話をし出す前にメキシコからの移民の数はすでにゼロ近くまで減っていた。

中国政府はすでに実際に人民元高を誘導していた。中国の過剰供給力削減努力によって、鉄鋼価格は底値から130%も上昇した。

一縷の望みは米裁判所か議会共和党がトランプを抑え込むことだが、彼らは長年コミットしてきた自由貿易や財政規律を忘れてしまった。

彼の行動は純粋に政治的動機によるものだ。

2.世界の対応

世界が米大統領のツイッターに注目し、崖から突き落とされないようしている。

そのために難しい課題への取り組みがなされないままになっている。

そのしわ寄せが特に新興国に集中している。

新興国は成長し、それとともに世界のバランスが変化した。その結果、西側先進国を中心に作られた国際ルールがうまく機能しえなくなっている。

本当は今こそ「公正な」新たな秩序が必要なのだ。




趨勢的停滞論は The Myth of Secular Stagnation の訳。おそらく機械語翻訳なのだろう。

イミダスではかくのごとし。
常態化した景気停滞。ローレンス・サマーズ元財務長官が2013年のIMF会合で提起した。
先進国では少子高齢化などで需要の伸びが止まるため、いわゆる「マイルドな不況」と高い失業率が常態化する。この状況では金融緩和も長期に続く。
以下が本文。

1.趨勢的停滞論はまちがい

スティグリッツが趨勢的停滞論を厳しく批判した。

リーマン危機後の経済をになった人々は、趨勢的停滞論というアイデアに魅力を感じている。
自分たちが“ぐずつく経済”を立て直せない言い訳になってくれるからだ。

彼らは「私たちのせいじゃない、私たちはやれることをやっている」と言いたいのだ。

なぜスティグリッツがサマーズを批判するのか。それはトランプ大統領と共和党による景気浮揚策のためだ。

2018年1月のトランプによる財政刺激策はそれなりの効果を発揮した。であれば、失業率がはるかに高かった10年前なら、もっと大きな効果を発揮したはずだ。

だから、回復が弱かったのは『趨勢的停滞』の結果ではなかったはずだ。

リーマン危機のあと、オバマ政権は十分な規模と適切な内容の財政政策を講じなかった。それが景気回復の遅さの主因であった。決して趨勢的停滞のためではなかった。


2.リーマン危機への機動的対応が必要だった

リーマン危機の主要な側面は住宅バブル崩壊であった。バブルが弾けたことで多くの人が家を失い、職を失った。米社会の格差は大きく拡大してしまった。

たとえその後GDPが増えたところで、大多数の市民の所得はたいして増えない。

この状態を押し戻すためには、財政政策による需要拡大と金持ちから大多数への再配分を実現する強力な政策が必要だった。

問題を抱えた経済に対して緊縮を強いることには反対だ。趨勢的停滞を認めることは、半ば多くを諦めるようなものだ。



 2018/12/13 幸福とは何か

1.幸福はGDPでは測れない

GDP統計は基本的に金銭的、したがって物質的な豊かさに焦点を当てている。だからGDPに偏った目標をたてると、政治は誤った方向に向かいかねない

2.ベター・ライフ指数(OECD)を用いるべきだ

人々の幸福を11の側面(住宅、所得、雇用、コミュニティ、教育、環境、政治参加、健康、人生への満足度、安全、ワーク・ライフ・バランス)から捉え各項目ごとに幸福度を計測している。

日本は38か国中23位だ。上位にあるのは所得・教育のみで、下位にあるのは住宅、コミュニティ、政治参加、健康、人生への満足度、ワーク・ライフ・バランスだ。

3.なぜトリクルダウンのウソは続くのか

民主主義の国家では、往々にして企業を応援すれば人々が幸福になるとのレトリックが横行する。

それがうまく機能しないのを目にしていながら、それが終わることはない。

アンチテーゼを主張する人たちにも具体性・実現性が乏しいから、国民は議論を行うことすらやめてしまう。


米国の金融政策正常化は危険だ。

金融政策正常化と各国財政のリスクは極めて重大なテーマだ。

過剰債務国では、財政リスクが露呈され、深刻な資金の流出がもたらされる可能性がある。これにより予算編成が困難な事態にも陥りかねない。

特に欧州にとっては、ユーロ圏のさまざまな制限が付け加えられる。

たとえばイタリアのように莫大な政府債務を抱える国では、金利が上昇すれば国の利払い負担が重くなる。

こうした国では、予算を組む上で「莫大な重荷」を負うことになる。

『より正常な金利』に戻すプロセスは慎重でなければならない。