去年末に行われたアメリカの中間選挙について、日本では「トランプよくやった」論が蔓延している印象を受ける。一度しっかりした数字を把握し、それに基づいて議論すべきだろうと思う。

中林美恵子さんの「中間選挙における女性当選者の大幅増加」という文章から、要約紹介する。

反トランプを示した中間選挙

中間選挙としては過去100年で最高の投票率49.6%となった。

投票所に行った理由として、38%がトランプ大統領に批判票を投じるため、26%がトランプ大統領を支えるためと答えた。

女性投票者のうち59%は民主党に投票。共和党は40%にとどまった。一方で男性の51%は共和党、民主党に投票したのは47%であった。

30歳未満の若い有権者の67%が民主党に投票し、32%が共和党に投票した。

女性とマイノリティーが支えた民主党

選挙結果では、下院で民主党が共和党を約4%ポイント上回り(51.2%対47.1%)、上院では民主党が約15%ポイント上回った(56.9%対41.5%)

知事選挙では6つの州で勝利し、とくにラストベルト3州で知事を奪還した。また南部の「サンベルト」3州で善戦した。

上下両院の女性議員は総計126人で史上最高。新人議員は、そのうち39人を占める。民主党106人、共和党20人だった。有色人種の女性が47人、1人を除き民主党。

注意すべき数字

中間選挙直後のトランプ大統領の支持率は全体では38%だった。
しかし共和党支持者の中では91%にまで達した。共和党は「トランプ党」に変貌しつつある。

共和党がもっと大きく議席を減らすと信じていたリベラル派にとって、別の世界が着実に広がっている。

アメリカの民主社会主義

中間選挙後、米民主社会主義者(DSA)が声明を発表。
「私たちは、長年の停滞期を経て、米国の社会主義運動の復活を示した」と述べる。
オカシオ・コルテスら連邦議員に加え、州議会議員も含めて約40人を当選させた。
支援候補も健闘した。総計330人の候補を擁立し、そのうち90人が当選した。
2016年以来、DSAに5万人近いメンバーが加わった。カリフォルニア州やワシントンDC、メリーランド州など、海岸沿いのリベラルな地域を中心とする。

地方に根強い保守主義

地方の民主党は、この動きに強い反感を抱いている。都市部と地方の分断が深まっている。
都市部では民主党支持が計62%、共和党支持が計31%となっている。

一方、地方では共和党支持が計54%、民主党支持が計38%となっている。これは南北戦争前夜を思わせる分裂だ。