米中新冷戦と「2019年国防権限法」

不勉強で知らなかったが、アメリカの中国攻撃は半端なものではなかった。

武者陵司さんの「米中対決の真のリスク……カギはドル調達に」というレポートが、米国の狙いとやり口を要領よく説明してくれているので、紹介する。


「2019年国防権限法」とはなにか

昨年8月に議会を通過、成立した。実質は「対中経済戦争法」

①従来からの外国投資規制と,輸出管理規制が一本化された。
②米国政府機関と“国防総省が指定する中国企業”との取引を禁止する。(当面はファーウェイなど中国企業5社)

問題点は

①制裁対象が政府の裁量次第で拡大する危険。
②指定された企業と取引した企業も制裁対象。非米企業も例外ではない。
③制裁の範囲が広がると、指定された企業はグローバルビジネスから締め出される。

恐怖のSDN(特別指定国)対応

米国財務省がSDNに指定すると,米国金融機関との取引ができなくなる可能性がある。
ドル決済が停止され、ドル送金など外為取引の禁止,米国内資産凍結などが実施される。

この制裁は実はラテンアメリカではすでにおなじみのもので、古くはキューバ、この2,3年はブラジル、アルゼンチン、チリ、エクアドルなどすべてこの手でやられた。いまベネズエラが必死の抵抗を続けている。
アメリカはラテンアメリカでこのように非道な人体実験を行った後で、この方式を中国にぶつけたのである。
8月13日がタイムリミット

国防権限法は今年8月から施行予定となっている。ただし8月から施行されるのは中国5企業のみで、来年8月には5企業と取引する第三者企業も取引禁止となる。
すなわち善意の第三者がファーウェイなどと取引することは事実上できなくなる。
取引銀行のうち、すでにHSBCは取引を停止した。これに続きスタンダード・チャータード銀行が打切りの方向だ。シティーグループだけがまだ取引を続けている。



老婆心ながら、習近平に一言言っておきたい。「韜光養晦」(目立つな、出しゃばるな)という鄧小平の教えをどうして守らなかったのだ。
もしそれが軍のせいだとしたら、この外圧は国軍への再編、文民統制と法治主義に向かうチャンスだ。決して逃すべきではない。