ふとしたことから、Youtubeで Kei's Echo のチャンネルを見つけた。日本語のチャンネル名は「Kei の訳詩チャンネル」となっている。明らかに訳詞のできっぷりを広げるのが主目的のチャンネルだ。

シロウトにはまことにありがたいチャンネルで、とびきりの定番と隠れた名盤が目白押しである。
ジャズボーカルのスタンダードがメインの柱であるが、シャンソンからボサノバまで守備範囲は広い。
驚くのはその全てに歌詞とKeiさんの訳詞がつけられていることだ。しかもその訳詞がまことに素晴らしい。
直訳などまったくない。かならずその意を活かした日本語になっている。だから日本語の訳詞がそのまま詩になってる。
これだけでも素晴らしいのに、なんとボサノバのポルトガル語まで完璧に訳されていることだ。
多分フランス語もそうなのだろうが、残念ながらフランス語がそもそもわからない。ほかにスペイン語、イタリア語も取り上げられる。
Kenさんの取り上げた曲はその多くがスローなバラードだから、その歌詞がわからないと本当にその歌がわかったとは言えない。
などと、偉そうに言うが、実は耳が悪いから何を言っているのか分からない。歌詞カードを見ても医学論文を読むのと違って、詩そのものが暗喩と省略に満たされているから、ヘレン・ケラー状態である。それでもいくつかやってみたが、雑なやっつけでも1日がかりの大仕事である。

たとえばカーペンターズの曲を開く。

「雨の日と月曜日は」という曲が出てきて、聞いても知らない曲なのだが、訳詞を見ていくとドキッ、ズキッとする表現の連続である。つくづく、草食系日本人には詩作の才能はないなぁと感じた次第だ。詩を書くにはあまりに恥ずかしがりで従順だ。せいぜい西条八十の洒落のめし止まりだ。
多分Kei さんはその詩を知ってもらいたくてアップしたのだろうが、こちらとしてはまんまとはめられた気分だ。
この嵌められた気分、なかなかに悪くない。