この1週間のメディア報道は常軌を逸している。しかもどんどんひどくなる。
完全に安倍晋三のペースに乗せられている。
これはきわめて危険なコースである。

まず第一に、憲法と条約の関係を巡る切口上がある。
日本は安保体制により超憲法的にアメリカへの従属を余儀なくされている。これは韓国も同様である。
どうもこれが背景にあって、超法規的な屈従を当然と考えるようになって、それを韓国にも押し付けようとしている。
韓国はそこまで屈従的でないからすれ違いが生じるのである。
日韓条約はもちろん国家間の取り決めだから、憲法を越える規制力を持つのは間違いない。しかし長期で見ればそれは改変可能であり、いざとなれば廃棄通告によって無効化できるのである。廃棄の及ぼす影響については甘受しなければならないのだが、原理的には憲法を上回るようなものではない。
当面の問題と長期にわたる問題とは分けて考えなければならないのである。徴用工の請求権はまさにそういう種類の問題なのだ。
第二に、日本(政府・企業)は問答無用に悪事を働いているのだからまずは謝罪しなければならないのである。
徴用工の労働契約は明らかに無法なものであり、タコ部屋労働であり、日本人との差別があった。慰安婦のときも襟首捕まえて強制連行したのではないから違法ではないみたいな言い方をしているが、“労働実態”から見れは明らかに違法で非人道的な強制労働である。その結果多くの方が亡くなられている。これは歴史的な汚点であり、「日韓条約でチャラになった」と言って謝らないですますわけには行かないものなのだ。 を参照されたい。
第三に、これは朝鮮人には受け入れられない論理かもしれないが、法理論的には彼らは大日本帝国の臣民だったわけで、“日本人として”償いを要求する権利があるのではないかと思う。そしてそれは日韓条約が締結されたとしても消えることのない権利なのではないかと思う。

これらを踏まえた上で言うならば、たしかに日本の会社の資産を差し押さえるという仕儀は、一国の国権の一部としては無作法なふるまいであることは否定できない。
ただ韓国人原告が被害者であり、弱者であることは疑いない事実なのであるから、そこは最大限汲み取っていかなければならないのではないかと思う。

たしかに安倍晋三が苛立つ気持ちはわかる。これだけの圧倒的な力を独占した人間は、戦後かつてない。力を集中させる「技術」にはたけている。しかしその力で何をしてきたのか?
端的に言って何の実績もない。だから苛立つのだ。
すごい数の外遊をこなしているが、まさに“外で遊んでいる”だけで、国費の無駄遣いだ。国際会議での集合写真では、心霊写真のように影が薄い。
この間に政治の劣化、行政の劣化は目を覆うほどに深化した。それが右傾化と並行して進み、若者の劣化をもたらしている。
私はアレルギーがないのが自慢だが、この顔と声だけはとうてい我慢ができない。以前はテレビに顔が映ると瞬間的にリモコンを押していたが、最近はともかくNHKニュースそのものを見ないようにしている。地震のとき以外にはNHKなど見なくて済む。地上波の契約だけ止める方法はないだものだろうか、と思う。
このままでは、安倍晋三は後世、戦後史上最長・最悪・最低の首相として名を残すことになるだろう。せめて日露交渉だけはこれ以上進めずに退任して欲しい。憲法改悪策動だけはこれ以上やらないで欲しい。ひたすら願う今日このごろである。