いろんなページを見たが、発電機の周波数の説明がどうにもわからない。
私は現在のところ、以下のように考えているが、いかがであろうか。

電気は、「周波数」を一定(50Hz)に保ちながらお届けすることが大切です。
周波数を一定に保つには、電気の消費(需要)と発電所の出力(供給)のバランスをとる必要があります。
そこで、当社は周波数が常に一定となるように需要の変動に応じて、火力発電機や水力発電機の出力を調整しています。
1.機器の使用に不具合
なぜなら、周波数が変動すると産業用機器の使用などに不具合が生じるおそれがあるためです。
2.出力が減ると周波数が下がる
*北電のページでは周波数を「水の重量」に例えているが、これほどひどい例えは例えようがない。まったく連想できない例えである。
3.太陽光や風力は出力変動を大きくする
出力変動が大きくなるため火力発電などによる調整が追いつかず、周波数を一定に保つことができなくなるおそれがあります。
4.火力発電所は「下げ代」が小さい
受容の低下に対応して出力を低下させる調整能力を「下げ代」といいます。
火力発電機は、運転を継続するために最低の出力維持が必要です。したがって発電出力を一定値以下にすることができません。
つまり火力発電所は「下げ代」が小さいのです。
*これは水力と比べたときの相対的なものだ。水力は容易にゼロ稼働からフル稼働まで調整できる。
*同じ火力でも、どのエネルギーを使うかで変わってくる。最新鋭の天然ガス燃焼施設では対応の柔軟性は十分確保されてい。北海道に多い石炭専燃や重油火発は対応が遅い。
*原発の「下げ代」は最悪で、ほぼゼロに近い。

つぎが下記のページ

0. 周波数について
交流の電気の周波数は、電圧とともに電気の良しあしを決める重要な要素です。
さらに、周波数は発電と需要(負荷)とのバランスをみる重要な指標で、発電が需要を上回ると周波数は上昇し、下回れば低下します。

1.2.3.は省略
4.周波数の変動
発電所では、50Hz・60Hzの規格周波数から±0.1Hzから±0.2Hz内になるよう調節しています。
周波数が大きく変化するとモータでは振動や発熱、回転ムラが発生することがあります。

発電機そのものも回転数が変わるために、振動や機械系の疲労が問題になります。
周波数が大幅に変化しますと、運転を続けることができなくなり、次々に発電機が停止して大きな停電になることもあります。
*どうもわからないのだが、周波数の変化は結果であって原因とは言えないのではないか。周波数の著しい増減は需要と供給の著しい乖離の表現であって、だから危険を察知する重要な指標になるということではないのか。

この文章は、本文より脚注のほうが読み応えがある。しかしわかりにくいのは同じだ。
脚注
1 回転数と周波数
発電機はタービンの回転によって起電されます。周波数はタービンの回転数に比例します。
*これが良くわからないのだが、例えば10回転のタービンに、5倍速のギアを噛ませて50回にすることなのか。
タービンの機械的出力よりも大きな電気出力を出すと、タービンの回転数が下がります。
*これも良くわからないのだが、そもそも坂道を登ってエンストを起こすのとは違う話だ。出力ということで mα と1/2mxVの2乗 を混同しているのではないか。
もしわかりやすくいうなら、出血サービスを続けて貧血状態になって、最後にへたって動けなくなる。そのときに究極の疲労症状として回転数が下がってくるのなら、それはあくまで疲労現象の一つに過ぎない。
この回転数(=周波数)の低下は、いろいろな制御も用いてタービンの機械的出力を増加することによって元の回転数へ戻されます。
*供給力低下の続発兆候としてなら当然だ。回転数低下は結果に過ぎないのだから…
*供給力変化と関係のない単純な回転数低下なら、タービンからのギア比を上げれば良いだけの話。
2 飛行機では400Hz
周波数が高いと発電機は小さくてすみます。このため、ある狭い範囲にだけ供給する場合、たとえば、飛行機では400Hzの発電機が使用されています。
* 狭いというより低出力ということではないか。つまりギア比を低くしてトルク比を稼ぐ発想?

3 アンバランスというのは仕事のアンバランス
発電と負荷は電気的には常にバランスしています。それが電気の原理というものです。バランスが崩れるのは発電機を回すための仕事量(素材的には蒸気や水の量)と、発電している電力の大きさとの関係です。
単位時間当たりのエネルギー(仕事量)が発電している大きさよりも大きければ周波数は高くなります。
*ニュートラルでアクセルを踏み込むのとおなじで、
空ぶかしすれば回転数は跳ね上がる。回転数を上げたから空ぶかしになったわけではない。

4 最後はタービン出力の調整
最終的にはタービン出力を調整して回転数を保ちます。太陽光発電や風力発電では調整できません。
* 「オレは太陽光や風力は大キライだ」という姿勢が透けて見えます。



ということで、“周波数” は決して交流電気エネルギーの発生のための本質的要素ではないということがわかった。
それが意義があるのは、タービンの回転数の整数倍だったり、その逆数だったりして、回転数を間接的に反映しているからである。
ただしそれは駆動輪から伝導する際のギア比によって操作可能であり、回転数を反映する仕方は条件的である。

タービンの回転数は角速度である。産出エネルギは“重量✕速度の2乗÷2”だから、回転数は起電力の本質的な要素であるが、起電力そのものではない。

物理屋さんのボキャ不足が起因しているのだろうと思うが、問題は周波数ではなく、発電機のタービンの発生エネルギーなのである。
方程式は電力需要と電力供給量とタービンの出力から構成される。どういうふうに書けるかは知らないが、基本はそうである。
もう一つの方程式がタービンの発生エネルギーを決めるもので、こちらは角速度=回転数とタービンの負荷重量から導き出される。
重量は一定なので、出力は回転数によって決まる。需要量に比してエネルギーが不足すると、結果として回転は落ちてくる。要するにへたってくる。
どうするか。タービンを回すエンジンの出力を上げればいいのである。
出力を上げれば、回転数はふたたび増加し、供給エネルギーは増えるのである。

これら一連の過程はタービンの回転数を見ればわかるのであるが、一定の固定した条件(例えばギアー比) のもとでは発電した交流電気の周波数で代用することもできる。

おそらくはただそれだけの話であろうと思う。


宮尾さんの講演レジメ「検証! 北海道のブラックアウト」
での周波数についての説明は次のようになっています。
自動車で坂道を登ることを想定してください。需要の変化は坂の勾配で、発電はエンジンです。
坂がきつくなればエンジンの回転数が下がり、登る速さが下がります。
エンジンの回転数が周波数で、登る速さが電圧です。
需要と発電の関係は電力の電圧と周波数に関係します。
電圧はトランスで変えることができますが周波数は変えられません。
電力会社は周波数を監視して、周波数が低くなれば発電量を増やし、周波数が高くなれば発電量を減らします。
北電の説明よりはわかりやすいですが、やはりこれを読んだだけではなんの事やらわかりません。
電気屋さんの世界では交流電流の公式があるらしくて、多分それをそのまま、言葉だけ易しくして、いろいろな例えを使って話しているのですが、素人には直流電流におけるオームの法則で説明してもらわないとわからないのです。

オームの法則に周波数は出てこないのです。

消費電力は総抵抗として表現される

電気屋さんの説明で決定的に欠けているのは、「消費電力の増加」が「電気回路の抵抗の増加」と同じ意味だということです。
o-mu2
オームの法則は直流ですが、同じ電圧のもとで抵抗と電流は反比例します。抵抗が増えれば電流は減るのです。
o-mu
電球を直流で2個つなげば、明るさは半分になります。つまり消費電力が増えれば電流は減る、したがって仕事量(W)も減るということです。
交流では抵抗(R)と言わずにインピーダンス(Z)といいますが、単位は同じオーム(Ω)で理屈は同じです。
発電所を出た電気が発電所に戻ってくるまでにたくさんの電気器具が使われれば、その回路の抵抗は増えるわけです。

発電機の発生出力は電流の強さと同じです。電圧が一定の環境のもとでは、抵抗(電力消費)が増えれば電流は下がります。なぜなら抵抗が増えればタービンの馬力が同じでも回転数は下がるからです。

もう一つは問題は、推力としてのタービンの出力(馬力)と、アウトプットとしての発電機の出力(仕事量)の違いが書き分けられていないことにあります。

そして「周波数」がなんの関数なのかが示されていないことです。

ブラックアウトに至る基本の流れは、タービンの出力が低下することにより、発電機からの電力の出力が停止することです。

タービンの出力の低下はタービンの不具合による絶対的な低下と、需要に対し追いつかないための相対的低下があります。

しかし、相対的な低下といえども最後にはタービンがへたって動かなくなるのであり、まずは絶対的低下だけ考えればよいのだろうと思います。

つぎに需要の極端な低下や供給の過剰により、発電機に過剰な負荷がかかったときのことですが、これも最終的にはタービンの暴走→停止ということになるので、最終出口としてはタービンの不具合です。

高血圧で脳卒中を起こそうが、低血圧でショックになろうが、最後は心臓が止まってご臨終になるのです。

そしてブラックアウトを防ぐには、原因が何であろうととりあえずは心臓(タービン)が止まらないように動かすことです。「カギは周波数」ではないのです。

e=Esin(2πft)

というのが交流起電力の公式らしいが、私にはさっぱりわからない。読めば読むほどわからない。目をつぶると目の前をサイン、コサインが乱舞する。

この公式を見れば、起電力は周波数 f の関数だと考えても不思議はない。しかしその本質は角速度の関数だということです。
我々素人から言えば、それが回転速度の関数、つまり運動エネルギーの関数だということが、物の本質です。