「ヘビ検出理論」というのを名古屋大学の河合さんという人が一生懸命推している。

アメリカのイスベルという人が提唱したらしいが、どうも眉唾な感じがする。そこでとりあえず、河合さん以外の人がどう見ているのかを調べてみることにした。

Eeek, Snake! Your Brain Has A Special Corner Just For Them という紹介記事で、一般向けの解説。日本語にすると「“キャー、蛇だ! 人間の脳には特別な領域がある

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イントロ
1992年、人類学者のLynne Isbellを乗せたトラックは、ケニア中部の谷間を走っていた。そのとき突然何かが彼女を凍りつかせた。

「私の目の前にコブラがいました。そいつは鎌首を持ち上げていました」

イスベルはUCデービス校の研究者だった。彼女は20年もの間ケニアで人類学の研究を続けて来た。しかしイスベルは、彼女の覚醒した脳がこのような形でコブラと向き合ってパニックになってしまうなんて考えたこともなかった。

「最初は運が悪いと思ったけど、今は運が良かったと確信しています。それは私の視覚システムが、6000万年の霊長類の進化の歴史を反映しているからです」

その答えは猿たち(霊長類)の視覚の進化とつながっている。またそれは脳の一部、視床枕の進化と結びついている。彼女はそのことを全米科学協会誌の短報で説明している。

彼女はなぜ凍りついたか…イスベルの説明

コブラとの遭遇後数年して、イスベルは次のような理論を考え出した。すなわち、ヘビこそは人間や霊長類が良いビジョンを進化させた主な理由なのだ。

彼女は言う。

「霊長類は前方視する目を持っています。それは優れた奥行き知覚をもたらしています。その他に、霊長類は哺乳類の世界では最高の視力があり、色に対する感覚も優れています。なぜでしょう。それには何らかの説明が必要ではないでしょうか。

有毒なヘビがたくさんいる世界では、霊長類は、他の場所の霊長類よりも視力が発達しています。マダガスカルのキツネザルの視力が霊長類で最悪なのは偶然ではありません。有毒の蛇がいないからです」

ヘビが霊長類の視力を良くしたことの証明

しかし、霊長類の視覚系が実際にヘビを検出するために進化したならば、その脳には生物学的証拠があるはずだ。

そこで彼女は、蛇のいない環境で暮らす日本のマカクザルの脳を研究した。

サルに蛇、顔、手、単純な幾何学的な形を提示し脳細胞の反応を測定した。その結果視床枕のなかで注目すべき変化を発見した(視床枕は脳、視覚系の一部で、人、類人猿、猿に特有のもの)

イスベルは語る。

そこには蛇の画像に非常に敏感で、霊長類の顔を見せたときよりもはるかに強く反応したニューロンがあリました。

サルや他の霊長類は顔にたいして非常に敏感に反応するので、それよりも強く反応するというのは驚くべきことです。

この発見は、以前彼女がケニヤでコブラを見たときの体験を説明しているようだ。

このような反応は、私たちが対象を意識してなくても対応できる迅速かつ自動の視覚システムです。

霊長類のヘビショックは確認済み

この発見は、霊長類のヘビ恐怖を研究する人には驚きではない。ノースウェスタン大学の臨床心理学教授であるスー・ミネカは、「このようなことが起こっていると疑われる人がたくさんいる」と話す。

この研究では、サルの脳反応が本当にヘビを恐れているか、サルが有毒な爬虫類を認識する潜在本能を持っているかどうかは確定できない。

確認されることは、猿と人間が進化の結果ヘビを恐れる脳を持つようになったということだ。

まぁ、まんざら嘘っぱちというのではないが、とりあえずはお話ということで…