そんなこと威張っても仕方ないが、習近平が詫びを入れた。私の言った通りになった。
経済通や中国通はみな不思議がっているが、そんなこと当たり前だろう。読めなかったアンタ方の程度が低いということだ。
だいたい、赤旗から日経まで、みんな中国を買いかぶりすぎている。



貿易は決済を以って完了する。決済は決済通貨なしに不可能である。中国が貿易を盛んに行えば行うほどドルの縛りを強く受けることになる。中国がドルという外貨をいくらたくさん持っていようと、それはドル決済システムを補強するだけの話でしかない。
これまで常に、中国の最大の弱点は通貨で、この弱点はまったく克服できていない。それどころかますますドルの罠に絡みとられているように見える。
かつて日本はプラザ合意でドルで累積した外貨を半分に減価された。さらに不均衡の是正ということでいいようにむしられた。ドルを決済通貨にするというのはそういうことだ。
中国にとって最後の手段は、ドル建て債務を踏み倒すかどうかだ。それはありうると見ている。ただしそれは日本とEUをふくめ、世界中で一斉に踏み倒すことができるかどうかにかかっている。その旗振りができるのは中国以外にないだろう。


情勢分析をするときに、つねに念頭に置かなければならないのは、リーマンショック以来の10年間で何が変わったのだろうか、それが政治の世界にどう反映されていくのかという視点であろう。
私はこの10年の力関係の変化を決めたのは、大量の通貨・ドルであろうと思っている。
QE、QE2、QE3という三次にわたる量的緩和策が世界のあり方を変えてしまった。
世界は身の丈に余るぜい肉をつけてしまった。ベッドから動けなくなってしまった超肥満者の状態にある。きわめて不健康な状態であり生命にも関わる。
量的緩和は窮余の策として必要であったに違いない。重病人に点滴をするのと同じである。治ったらやめればよい。しかしやめられなくなったら、どうなるのか。そのことは誰にもわからない。
とにかくそうなってしまっている体にいきなり根治療法をしても、体力が持たないから、できるところから少しづつ手を付けていく以外にはない。
何れにしても世界の通貨の99%を握る1%の人々に、これ以上金が回らないようにすることが一番肝心なことである。米中経済摩擦もその観点から見ていかなければならない。