ベルリンでの戦闘については、ずいぶんたくさんの記事が掲載されているが、ご多分に漏れずコピペのコピペがほとんど。情報としてはこれくらいでいいんじゃないかと思う。
ベルリン戦記のほとんどは、民衆にとって最大の責任者であるナチスの狂気が書き込まれていず、進駐してきたソ連軍の横暴だけが非難されていることが目につく。
肝心なことは、日本が本土決戦に突き進んでいたらどうなっていたか、という資料として読むことだろう。何よりも沖縄がその教材なのだが…

市街戦の前史としてのベルリン爆撃
43年からの空襲と市街戦により、全市の建物150万戸のうち60万個以上が全壊。非戦闘員の死亡は総計7万8千にのぼったが、うち5万人は空襲によるものだった。

1943年秋 ベルリン動物園が爆撃される。
「私たちは肉を飽食した。特に味が良かったのはワニの尻尾だった。死んだ鹿、水牛は数百回分の食事になった。熊ハムと熊ソーセージはとりわけ美味だった」
44年3月 米軍の参加する最初の大規模なベルリン空襲。B17、B24の730機が、大ベルリン地区に爆弾を投下する。その後の1年で、ベルリンは150回以上の爆撃を受ける。
Bombingvictims1944
     体育館に収容された空襲犠牲者
11月 16歳から60歳までの男性市民から成る「国民突撃隊」Volkssturmが結成される。
ベルリン防衛のかなりは国民突撃隊に委ねられた。これは本土防衛に備えて創設された軍事組織で「普通の市民」が担っていた。ある意味、ナチスにお付き合いして集団自決を迫られたことになる。
m_Volkssturm

ベルリン包囲の完了
4月16日 ゼーロウ高地の戦いが終了。オーデル川に敷かれた東部戦線最終線は崩壊し、ベルリンが裸で残される。ソ連軍は2月初めにはオーデル川まで到達していたが、ベルリン進撃は2ヶ月にわたり遅らされた。
Berlin,_Volkssturm_mit_Panzerabwehrwaffe
  対戦車砲(Panzerabwehrwaffe)を背負って待ち伏せる国民突撃隊の市民

4月20日 ソ連軍が郊外のヴァイセンゼーを確保。ベルリン市中央部に砲撃を開始。

4月23日、ソビエト軍がベルリン市の境界に進入。Sバーンの環状線へ火力を集中。

4月24日 第LVI装甲軍団司令官ヴァイトリング、ベルリン防衛軍の司令官に任命される。

4月27日 ドイツ軍は、東西25キロ、南北に3キロの地帯に閉じ込められる。ヴァイトリングは戦況をヒトラーに報告し、脱出計画を提案するが拒否される。
Battle_of_Berlin-a

4月28日 カイテル国防軍最高司令部総長、ベルリン救援を断念。

4月29日 親衛隊のヒムラー長官が連合国に降伏を申し出る。

4月29日 ソ連軍、モルトケ橋でシュプレー川を渡り、ドア・ツー・ドアで都心部に進む。
ナチス党員は降伏すれば即決裁判で処刑されると確信していた。このため全てを道連れにしようと覚悟を決めていた。
4月30日 都心部で最後の決戦

14時30分 ブランデンブルク門に赤旗が立つ。戦闘は旧国会議事堂に絞られる。決死のSS残兵1万と白兵戦になる。

15時20分 ヒットラー夫妻が自殺。ゲッペルスが首相となる。南部軍のデーニッツが大統領となる。

22時30分 旧国会議事堂の屋上に赤旗が立つ。
ライヒスターグの赤旗
5月1日 ゲッペルス、無条件降伏を要求されるもこれを拒否し、妻と子供6人を道連れに自殺。
ゲッペルスは小男で精力絶倫。ベルリンの女性で彼の手にかからなかったのは勝利の女神だけであった。なぜなら小男の彼には手が届かなかったからである。
5月1日21時25分 ヒトラーの死がラジオで報道される。 

Berlin_Tiergarten_Siegessaeule


5月2日 総統官邸への攻撃が開始される。

5月2日午前6時 ベルリン防衛軍のヴァイトリング司令官が降伏。ドイツ兵にソビエト赤軍へ投降するよう命じることに同意。
ベルリン市街戦ではドイツ軍人2万、民間人2万が犠牲になったとされる。
5月2日 ソ連兵が数週間にわたり婦女暴行(10万人が犠牲となった)、略奪を繰り返す。
ただし、ドイツ軍が不可侵条約を破って、一方的にソ連を侵略し数千万人を死に至らしめたことへの「報復」という側面は決して無視できない。さらに言えば、ドイツ軍のロシア人大量殺害は命令であったが、ソ連軍の野蛮行為は「命令ではなかった」ことにも留意すべきだ。
5月6日 デーニッツ、アイゼンハワーの司令部にヨードルを派遣。降伏交渉に当たらせる。

5月7日 48時間の猶予つきの無条件降伏で合意。ドイツ東部から避難民をうけいれる。

5月9日零時 停戦が発効。

南部戦線(イタリア)については別年表イタリア解放闘争の20ヶ月)を参照のこと。
ドナウ平原の戦いについては、いずれ、まとめてみたい。