さすがは赤旗で、沖縄知事選が正確に評価されている。
昨日の段階では見えなかったことが、明らかになった。
まずこの表がとてもありがたい。

得票推移
前回選挙との比較だ
1.オール沖縄は総投票数が減った中で3万6千も得票を増やしている。これは敵失による勝利ではないということだ。翁長県政4年間のゆるぎのない組織的前進の成果と言える。
2.保守層を結集した勝利だ。前回は保守が3つに分裂した。翁長派、仲井眞派、そして下地派だ。分裂しなくても翁長さんは勝てたのだが。今回は翁長派以外の保守が一本化した。しかし前回票にさえ届いていない。
3.公明票効果が見られない。内地から5千人を動員したという公明党はどこへ行ったのか。差し引き数万の票は間違いなく動いたと思う。だとすると、それを上回る保守票の雪崩現象が起きたとしか考えられない。

つまり、今回の選挙の最大の特徴は前回選挙に始まった中央依存保守の地盤の崩壊と「オールオキナワ」体制の構築が一気に進行したことにある、と言えるだろう。

つぎに竹下記者の署名記事
勝利の方程式=争点隠しx公明動員x期日前投票
が今回に限って効かなかった。「不敗神話」が崩れた。
1.争点隠しが成功しなかった理由は、玉城側が「翁長の遺言」という形で辺野古の争点化に成功したこと。政治アパシー化が進む若者に対してアムロの一言は効いたと思う。投票直前の世論調査で辺野古反対が7割に達した。
名護では2月に争点隠しで負けたが、今回選挙では1800票差をつけた。
2.公明動員が成功しなかった。内地からの動員と締め付けが孤立した。地元メディアの出口調査で、公明支持者の3割が玉城に投票した。
3.期日前投票でも負けた。地元メディアの出口調査で、期日前投票でも玉城が圧倒した。
中祖記者は選挙の全国への影響について書いている
1.自民総裁選の「地方の反乱」と関連しているかもしれない。さらにこの流れは加速されるかもしれない。
2.野党共闘と草の根民主主義はさらに前進するだろう。

ただし、この2.については私はこう書き換えたい。
2’.「オールオキナワ方式」の本質はリベラル保守の反乱であり、野党共闘とは分けて考えるべきだ。リベラル保守の反乱は、全国でも「地方の反乱」としてその萌芽が見られる。
保守の反乱と野党共闘が結びつけば、政治の流れが変わってしまう可能性がある。
赤旗以外の論調にも触れておきたい。

1.異常な反共攻撃について
反共攻撃の先頭に立ったのは右翼のデマゴーグだった。
元東京新聞論説副主幹、長谷川幸洋はこう述べている。(MAG2 NEWS2018年10月05日誰が「玉城デニー当選なら沖縄は中国に」というデマを流したのかより)
こんな人物が知事になったら、沖縄の支持者だけでなく、中国や北朝鮮は大喜びだろう。祝電どころか、祝意表明の代表団を送ってくるかもしれない。そうなったら、歓迎の中国国旗(五星紅旗)が沖縄中にはためくのではないか。光景を想像するだけでも、ぞっとする。(9月26日、夕刊フジ)
もっと露骨に反中国デマを煽っているのが元海上自衛官のジャーナリスト、恵隆之介氏。2013年に『中国が沖縄を奪う日』という、センセーショナルな題名の本を刊行した。これらの文献がベースになって有象無象のネット右翼がSNSなどで誹謗・中傷・デマを繰り返し、国会議員や元市長などの肩書きを持つ人物が無批判に拡散した。
もう一つの攻撃、スキャンダル報道の「王道」としての内閣調査室=週刊文春によるネタである。(週刊文春と内閣調査室は前川問題を水に流し、よりを戻したようだ)
「週刊現代」の記事、「週刊文春の“隠し子”報道について週刊現代


2.中国攻撃のもう一つの側面
沖縄は基地に頼らない経済を目指して動き始めている。それは翁長県政が切り開いた道だ。国政は辺野古に関連して沖縄に対して懲罰的な予算配分をしている。
そのしがらみが崩れるようなことになると、沖縄の基地としての安定性は根底から揺らぐことになる。
翁長さんは2015年「沖縄県アジア経済戦略構想」を発表した。アジアの巨大マーケットの中心に位置する地理的優位性を生かし、国際ビジネス都市に飛躍しようというものだ。
これが基地に頼らない沖縄経済をどう作るかについての回答だ。
「基地に頼らない経済」の最大の柱が観光、特に中国・アジアを対象としたインバウンドが重要になる。
県知事選の舞台裏 2018年10月4日琉球新報では次のように報じている。
クルーズ船が次々と寄港し、国際通りは人波が途切れない。「観光立県」をうたう沖縄は昨年、観光客数が過去最多の939万人に達し、初めてハワイを超えた。
我々は原発立地が潤っても、結局、原発関連企業以外はすたれていく経過をみている。それが沖縄という島全体で起きていることだ。
観光で生きていくというなら基地はじゃまになる。基地関係者ばかりがのさばる政治・経済のあり方は否定されることになる。「嫌なものは嫌だ」と発言し始めれば、国にそれを押さえつける力はない。
だからおそらく最大の顧客になる中国との関係強化を警戒しているのだ。
しかし沖縄だけなぜ観光立国してはいけないのだ? それもまた「お国のため」なのか。