鳥の脳の進化を調べることは、マクリーンの爬虫類脳ー哺乳類脳ー霊長類脳という「三段階説」を完膚なく打ち砕く上で、決定的な意味を持つ。
哺乳類は霊長類を生み出すに及んで、ようやく鳥類の脳に追いついだのではないか。
それは霊長類以前の哺乳類、鳥類、そしてその祖先としての恐竜類を比較することにより証明できるのではないだろうか。
現に鳥類の脳を研究している学者からはそういう意見も上がっているようだ。彼らの意見に耳を傾けながら考えてみようではないか。
まずはその前に、始祖鳥から始まる鳥類の進化年表。

長谷川政美さん「鳥とは何か」
①鳥類の最大の特徴は空を飛ぶ能力です。鳥とは「空飛ぶ恐竜」です。
②哺乳類と同様に恒温動物です。変温動物ではないという点で、「恐竜(爬虫類)ではない」ということもできます。
③鳥は哺乳類よりはるかに長い旅を楽々と成し遂げます。それは低酸素に適応した気嚢という呼吸システムを持っているからです。

年表づくりで困難なのは、鳥の定義が変わり、概念が変わり、範疇が変わっていることだ。そのために古い教科書は役に立たず、それどころが混乱をもたらすだけだ。少なくとも権威ある文書で、今世紀以降のものを土台に作らなければならないし、怪しげなところについては出典を明示して臨む必要がある。
爬虫類系統図

地質学をもとにした「…紀」も原理的には相対年代であり、気候年代と完全一致するとは考えにくい。基本としては絶対年代、すなわち「…万年前」を用いるべきであろう。少なくとも分かる限り併記はしていこうと思う。


        チャーリッグ「恐竜は生きている」より

古生代

 石炭紀  地表にシダなどの植物が大繁殖。海面下ではウミユリ類が繁殖し、死後に石灰岩を形成。また海綿,コケ虫,藻類などが礁を作った。

石炭紀前期 3億6千万年前から3億2千万年前 両生類の中から陸生に適応した有羊膜類が出現し、竜弓類(爬虫類)と単弓類(哺乳類)に分かれる。昆虫は巨大化し、全長60cmのウミサソリ、翼長70cmのトンボ、全長2mのムカデなどが現れる。翅を持った昆虫が初めて出現、ゴキブリの祖先となる。

石炭紀後期 3億2千万年前から3億年前 リグニン分解菌が未発達だったために、植物は死後も分解されず炭化水素(石炭)を閉じ込める。このため徐々に低温(低炭酸ガス)と高酸素(最大35%)が進行する。南半球では氷河と針葉樹林帯が広がる。

 ペルム紀(旧 二畳紀) 3億年前~2億5千万年前 
初期は寒冷。低温・高酸素環境のもとで哺乳類型爬虫類(獣弓類)がパンゲア大陸全体に繁栄(リストロサウルス)。

後期は激しい高温。ユーラメリカ大陸とゴンドワナ大陸が衝突し、パンゲア大陸を形成。

ペルム紀末期 2億5千万年前 大絶滅が発生。生物の90%から95%が絶滅する。超大陸の形成と分裂に伴う火山活動が原因とされる。


中生代

 三畳紀
三畳紀前期 2億5千万年前 リグニン分解により酸素は10%にまで減り、炭酸ガスが増え、気温が上昇する。大量絶滅のニッチを埋める如く新たな生物が登場。恐竜の中から気囊を持ち低酸素に強い主竜類(アクロサウルス)が登場。
リグニンを分解するペルオキシダーゼを組み込んだ白色腐朽菌(きのこ)が出現したのは、それより5千万年前、古生代石炭紀末期頃であると推定される。

三畳紀中期 2億3千万年前 主竜類から翼竜類と恐竜、ワニ類が分岐。翼竜類(ランフォリンクス)は飛行制御など知能を働かせるために恒温動物であったとされる。最初の哺乳類が現れる。海中においては硬骨魚類が増生。体長5メートルを越す両生類、マストドンサウルスも出現。

気囊 図

 三畳紀末絶滅 約2億年前 火山活動により、大型爬虫類を中心に生物種の76%が絶滅。巨大な両生類もこのときにほぼ姿を消す。酸素高度依存性の恒温動物(哺乳類型爬虫類)も絶滅に追い込まれる。主竜類・獣弓類が死滅したあと、比較的小型だった恐竜が急速に発展。竜脚類も現れる。
多分覚える必要はないと思うが、一応書いて置く。恐竜は竜盤類と鳥盤類に分かれる。竜盤類は肉食の獣脚類と草食系の竜脚類に分岐する。鳥盤類は全て草食の恐竜である。最近、獣脚類を竜盤類から鳥盤類に移そうという動きがある。
恐竜系統図
                      独創的で挑発的な再評価

 ジュラ紀前期 2億年前 火山活動の結果、現在よりも暖かく、大気中の二酸化炭素濃度は高く、湿度も高かった。
パンゲア大陸の分裂がはじまり、北がローラシア大陸、南がゴンドワナ大陸へと分裂。ゴンドワナ大陸はその後さらに、西ゴンドワナ大陸と東ゴンドワナ大陸へと分裂する。

 ジュラ紀後期 1億6千万年前 西ゴンドワナ大陸がアフリカ大陸と南アメリカ大陸に分裂し、その間に大西洋が生まれる。東ゴンドワナ大陸はインド亜大陸、マダガスカル島、南極大陸、オーストラリア大陸に分裂。

始祖鳥が登場する。鳥群のはじめであるが、鳥類の直接的な祖先ではなく、系統のとぎれた絶滅種とされる。ドイツのバイエルンの化石、遼寧省の化石が始祖鳥に相当。

鳥群(Avialae)は竜盤類獣脚類の一部門であり、現生している鳥類(Aves)を含む。鳥群はダチョウのように二足歩行をしており、“空を飛ぶ能力のある羽毛がある翼を持った恐竜”と定義された。
比較的上空を飛ぶ翼竜との間に競合はなく、両者はともに生きながらえた。

 白亜紀初期 約1億2500万年前 温暖で湿潤な気候が続いた。植物会では被子植物が主流となる。

始祖鳥に続く鳥群が出現。現在の鳥類につながるとされる。鳥類に特有の遺伝子があるわけではなく、遺伝子を使いまわしているだけだという。

始祖鳥逆スキャンダル: 始祖鳥は捏造と批判されたことがある。羽毛恐竜についてはシノサウロプテリクス(中華竜鳥)、カウディプテリクス(尾羽鳥)、プロトアーカエオプテリクス(原始祖鳥)、シノルニトサウルス(中華鳥竜)、ベイピャオサウルスの4種が確認され、アーカエオラプトルは贋作(合成)とされた。

 白亜紀中期 1億年前 酸素濃度がふたたび増加。草食性の竜盤類に代わりティラノサウルス、トリケラトプスなどが恐竜界の主流となる。トカゲ類から蛇が分化。哺乳類は胎生となり有胎盤類が増加する。

 白亜紀後期 7千万年前 翼竜の主流が大型化。プテラノドン、ケツァルコアトルスなど10m級の翼竜が繁栄する。鳥類との棲み分けのためとされる。

 白亜紀絶滅 6千600万年前 小惑星が現在のメキシコ・ユカタン半島の北の海域に衝突。生物種の70%が絶滅。翼竜、真鳥類を除く恐竜が絶滅する。海中でも全てのアンモナイト類が絶滅。「なぜ恐竜だけ?」という問題は未解決である。
ついでに、映画「ジュラシックパーク」に登場する恐竜はすべて白亜紀のものらしい。「なぜ?」


新生代
古第三紀 6500~2400万年前
 暁新世 約6550万年前 霊長類の出現。
 始新世
 斬新世 2500万年前
 ケニヤで最古の類人猿と思われる化石