札幌の配電停止と熱中症死のケースについて、共産党はかなり突っ込んだ報道を行ってきた。
今週の赤旗日曜版に、事件を中心になって取り組んできた畠山和也前衆院議員のレポートが載った。

1.殺したのは北電
前回記事から私が推測したのとほぼ同じ内容だった。
端的に言えば、この女性を殺したのは北電だった。電気という「ライフライン」を切断することは、生命を切断することだ。この簡単なことが彼らには分かっていない。
電気が止まって、しばらくすれば、年寄り・子供は死ぬ。それを通報もせず放置して、死に至らしめることを、日本語ではなんと言うのだろうか。

2.北電は合法だと信じている
彼らは個人情報保護法を盾に自分を合理化していて、反省していない。反省の言葉は一言も発していないようだ。
ということは、彼らは今後もやるということだ。
「法に従って適正に対処させていただきました」ということなのだろう。
これは推測ではない。畠山前議員の質問に市の担当者が答えている。畠山議員によればこうだ。
市によると、電気事業者は個人情報保護を理由に電気を止めたことを市側に知らせてこないと答えました。

3.誰も北電に文句が言えなくなっている
北電が電気を止めた。ライフラインを止めることによって、もって女性を死に至らしめた。
彼らはノーコメントを貫くことで、「これからもやる」と事実上宣言している。
それにもかかわらず、だれも何も言えない。こういう状況が北海道という人口500万の自治体で出現している。
このことも畠山さんの調査で明らかになった。
畠山さんは道庁内の経済産業局に「監督官庁の役割を果たせ」と要請した。道の機構といっても事実上は経産省の出先である。
回答はこうだ。
局としては、①一律に止めず個別に対応を行うべきと考えている。②事業者(北電のこと)にもその方向で指導していた。
これを額面通り受け止めると、北電は監督官庁の指導を拒否する“内規”で動いていることになる。これはきわめて重大なことだ。

4.経産省は無条件で許すつもりだ
ではその北電の内規はどんなものか。どうも経産局はその内容を把握していないようだ。知ろうともしていない。
最後の経産局の回答は「一律に対応しないようにあらためて申し入れる」というものだ。
道・市・経産省をふくめ、いかに各組織が北電に対して及び腰になっているか伺われる回答である。

5.このままだと個人情報保護法が違憲容認立法となる
北電の言い分は、個人情報の保護に例外規定を許さないということである。個人の秘密は個人のいのちにまさるということだ。
それは銃所有の権利を神聖化する全米ライフル協会を彷彿とさせる。ただその裏に算盤勘定が見え隠れするだけ余計に醜悪だ。
「契約法は生存権に優先する」というのがベニスの商人シャイロックの論理である。それは「強者の論理」である。契約の神聖性を強調することによって、人の生命を奪うことを合理化・合法化する論理である。
これは、日本の市民法体系にとって恐ろしいことである。これが認められるなら、「法の精神を遵守するためには人を殺しても構わない」という法律がまかり通ることになる。
この間、行政糾弾に動いたメディア各社に、私は世論誘導の狙いを感じる。どうして北電を糾弾しないのか。
人の命をここまで軽視するこのような会社に、廃墟製造装置・原発を運営させて良いものなのか。