“Turn on” は歯向かうこと

今朝、BS ワールドニュースを見ていてわからない言葉に出会った。
英語を翻訳していると、良くこの手の表現に出くわす。これを真面目に辞書で検索するか否かで翻訳文の出来栄えは俄然変わってくる。
以前、医学書を翻訳して医学書院から出してもらったことがある。その時は「こなれた良い訳だ」とほめられた。
それは半分はあたっているかも知れない。
日本語としてこなれた文章にするには、日本語の能力が問われる。
しかし、本当はその前に、ちょっとした言葉でもしっかりと訳語をパッチすることが大事なのだ。
これをやると翻訳の時間は3倍かかる。しかしこれをやっていくうちに、ネーティブの人よりよく読めるようになることは間違いない。しかし困ったことに、読むスピードはむしろ落ちていくのである。

話が横道に入った。
元の表現は
Turning on Donald Trump?
というので、グーグルの翻訳エンジンでは「オンにする」としかでてこない。
こういうときは、「辞書で探せ」と言っているのと同じだから、辞書で検索するしかない。
といっても、便利なもので、いまでは“turn on”と入れてグーグル辞書を見ればよいだけだ。
turn on
「他9件の翻訳」を左クリックすると候補が出てくる。
9件の候補のうち最後の方に
歯向かう
oppose, bite back, defy, turn on, rise against, strike at
というのが出てくる。
なぜか?
それは書いてない。それを調べ始めたら翻訳の仕事は20分は止まってしまう。

「歯向かう」に相当する英語に、“bite back”というのがあったのには笑った。「あるんだ!」ね。

It is not often that Fox News criticizes President Trump, but the network’s primetime hosts have now criticized Trump twice

というニュース。「歯向かう」を知らないと、どうしようもない。