デニソワ人はネアンデルタール人と肩を寄せ合っていた

本日の赤旗科学面の記事
まず3本見出しを並べる
母・ネアンデルタール人、父・デニソワ人
5万年前の人骨は混血の少女
シベリアの洞窟

結論は見出しに尽くされている。
その前に前振り、その後に意味づけがつく
まず前振り
シベリアの南部にデニソワという洞窟がある。2008年に洞窟の中から多くの人骨が見つかった。
調べると大変な人骨であることがわかった。どこが大変かというと、一つはそれが5万年前の人骨であるということ、もうひとつはネアンデルタール人とデニソワ人の混在する居住地だったということだ。
我々はこの発見によって、デニソワ人という第三の旧人の存在を知った。
第1がハイデルベルク人、第2がネアンデルタール人である。
ハイデルベルク人を原人ーホモ・エレクトゥスとする説もある)
いったいデニソワ人とはどんな人種だったのか。それはネアンデルタール人と、どこがどれだけ違うのか。なぜネアンデルタール人と混住していたのか。
謎だらけだ。
そこに持ってきて、今回のニュースだ。「エッ」とも思うし、「それもありかな」とも思う。
ついで今回の研究結果
デニソワ11と名付けられた人骨の一部をゲノム解析したところ、ネアンデルタール人とデニソワ人のゲノムが40%づつ入っていた。
ここからさきがよく分からないのだが、以下のように記載されている。
両者とも(ゲノム内の)比率が高く、しかも同程度の割合を占めている…
このことは遠い昔に混血した人の子孫ではなく、第1世代のハイブリッドであることを示している。(マックス・プランク研究所の発表)
2つの人種はひとつ屋根の下で平和的に共存していた。下世話な言い方すれば、この洞窟は乱交パーティーの会場だったわけである。二つのグループが平等だったのか、一方が支配され家畜化されていたのかはわからない。
意味付け
80万4千年前に、現生人類であるホモ・サピエンスとの共通祖先からネアンデルタール人・デニソワ人の共通祖先が分岐した。さらに、64万年前にネアンデルタール人からデニソワ人が分岐した
とされる。
それが共存した理由は2つ考えられる。
ひとつは生活形態に合わせて人手が必要だった可能性。マンモスハンターであれば狩猟の方法、人命リスクの高さなど、共存したほうが良い場合はたくさんある。もちろん分前が減るということではトラブルの原因にもなりうるのだが…
もう一つは、そこ(シベリア)が当時の人類のフロンティアであり、生存の限界線を構成していた可能性である。デニソワ人は、あとからネアンデルタール人が来て生活が圧迫されようと、そこから先に進めないのであれば、そこにとどまるしかない。そうやって複数の人種が階層を形成しながら積み上がっていく可能性である。
これをさらに布衍していくとホモ・サピエンスとの関連もでてくる。
5万年前といえば、ホモ・サピエンスはとっくに出アフリカを果たし、新大陸を除くすべての大陸に進出している。反対にネアンデルタール人はほぼその歴史を終えようとしていた。
だからデニソワ人もネアンデルタール人も、ホモ・サピエンスに追われ、辺境の地に肩を寄せあっていたというふうにも考えられる。想像力は限りなく広がるのである。