赤旗の情報だけではいささか心もとないので、他紙も参照することとした。
おそらく出処は警察情報だけなので、継ぎはぎしていくと全貌が浮かび上がってくるはずだが、事実は逆で情報の錯綜が目立つ。
死亡したのが日曜日というのが、ややこしくしたかもしれない。
時系列を整理すると以下のようになる。
29日の朝、亡くなった女性とおなじ住宅に住む「別の女性」が「最近姿を見ない」と110番した。“最近”というのがどのくらいの最近なのかはわからない。
連絡を受けた警察が出動し、午前11時半ころ部屋に入った。このとき女性は室内で倒れており病院に搬送された。
しかし搬送先の病院で死亡が確認された。おそらく発見時すでに心肺停止状態であったろう。
その後「警察が死因を詳しく調べた」とあるので検屍が行われたのだろう。「女性は激しい脱水の症状が見られた」と書かれている。これをもって、「熱中症によって29日の午前に死亡した」と判断された。
29日の午前とアイマイに書かれているのは、明らかに死亡している場合は「不審死」として現場維持対応されるべきだからかもしれない。死亡推定時刻は死後硬直やチアノーゼ、直腸温などで判断されるが、熱中症においてはこれらが教科書通りには行かない可能性があるからだ。
これで事件としては一件落着なのだが、警察発表は何故か火曜日にずれ込んだ。理由は不明であるか、犯罪性は乏しいのでとくに問題はなさそうである。
以下は警察捜査の結果の報道であろう。
警察によりますと、女性は5階建てのアパートの4階の部屋で1人で暮らしていて、部屋にはクーラーや扇風機はありましたが、料金を滞納していたため電気を止められていて使えない状態だったということです。(NHK NEWS WEB)
事件に関して西区保健福祉部が経過を発表したらしい。各紙が報道しているが市側対応の批判に終止している。
そのなかで、読売は5月から電気が止まっていた事実を指摘。「札幌市は女性の健康状態などを踏まえ、訪問は3か月に1回と決めており、担当職員は4~6月に複数回訪問したが会えなかった」という記載もあり、しっかりフォローされている。
なお事件の発表された31日、北海道旭川市でも高齢者の熱中症死が発生した。
31日午前7時すぎ、旭川市東旭川南1条5丁目のアパートの1室で、1人暮らしの79歳の女性がソファーの上で意識を失って倒れているのが見つかりました。
女性は病院に搬送されましたが死亡しました。部屋は閉め切った状態でエアコンもなく、警察は熱中症と見て調べています。
この2つには共通点も多い。高齢女性の孤独死であり、それが熱中症であることも共通している。ただ札幌の女性は電気が止められて熱中症になって死んだという際立った特徴がある。
生活保護の問題は実は副次的だろうと思う。ライフラインが遮断されて命が絶たれたという明確な因果関係がプライマリだ。
いろいろな人がこの事件に触れてコメントを発している。その中で次の2つが問題の本質を言い当てていると思う。
1.【ゆるねとにゅーす】
一般論として、「電気代が払えない状態」になっただけで「生命の危険」が直接的に襲いかかってくる状況というのは、まさしく「異常事態」です。
このままこの状況を放置していると、他でも同じようなケースが次々発生してしまう危険があります。
2.畑理枝さんのツィッター
(たしかに)生活保護費(というのは)かつかつだとは思うけど、光熱費を滞納するのは(そのためだけではありません)。他に借金とか認知症とか身内の経済的虐待とか、いろいろ問題を抱えていることが多いのです。
(だから、逆に)光熱費滞納をシグナルとして支援に結び付ける体制(仕組みづくり)が必要かと…。
(すみません、かなり勝手に修文してしまいました)


事件をフォローする報道では、市役所の怠慢が問題にされているようだが、これはお門違いだと思う。まず電気を止めてしまった北電に最大の直接責任がある。
「光熱費滞納はそれ自体がシグナル」なのだ。それも猶予できないSOS信号なのだということを認識しなければならない。
もちろん北電にただで電気を流し続けろとは言わない。しかし「ただで流し続けることはできない」という言い分は電気を止める口実にはならない。
もう一つ、北電はこのケース行政に連絡すべきなのを怠った。しかもただ怠ったのではなく、意識的にネグレクトしたらしい。
市担当者は、個人情報保護を理由に事業者からは情報を得られていない。市として事業者に協力を願うしかないと答えました。(畠山前国会議員への回答
つまり北電は配電停止を市側に連絡しなかったばかりではなく、個人情報保護をたてに配電停止事例に関する情報提供依頼を拒否しているらしい。
「ゆるねとにゅーす」さんが言う通り、北電は「他でも同じようなケースを次々発生させててしまう危険」があるのだ。

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