結果的には黒田総裁は正しく、財務省は間違っていたということになる。
しかし黒田総裁さえも異次元緩和すればインフレが来ると思っていたのだから、五十歩百歩というべきかも知れない。
日本の人口減は、高齢者へのいじめと脅しのキャンペーンを伴っているから、団塊世代は財布の紐を縫い付けてしまった。
1億持っていても、2億でも、もうびた一文も出さない。なぜなら、富裕層の意のままとなってしまった日本という国をもはや信頼していないからだ。
藤井財務相が、消費税引き上げのときに「かならず消費水準は戻る」と言ったが、まったくの誤りだった。消費マインドの冷え込みはもはや構造的なものとなっている。
藤井さんに同情していうなら、団塊の世代にとっては「そういう問題ではない」のだ。財務省幹部は土下座して、見通しの甘さを謝るべきだ。
おそらく団塊の世代が持っていた最大の資産は「欲望」であったろう。
今やその「欲望」は霧消した。団塊の世代が持つ莫大な資産は、致富欲以外の「欲望」を持たないゾンビ貨幣となり、成仏できずに世の中をさまよう。市場撹乱因子だ。
「高齢化社会論」で老後の生活に危機煽りした人間が、実は「欲望」の危機に対して一番鈍感だったということだ。
これをまっとうな資産として生き返らせる唯一かつ単純な方法は、社会保障の改善である。老後が保障されれば彼らは金を出す。少なくとも「リスクオン」のポジションをとるはずだ。「だって墓場まで金を持っていっても仕方ないじゃん」からである。