重大な訂正 7月13日
松浦さんから御丁寧な挨拶をいただきました。ありがとうございます。
なお「ベネズエラ投資代理業」というのは私の誤解に基づく虚偽情報でした。正確を期すため、松浦さんご自身の文章をそのまま転載します。
お願いしたいカ所は私の現在の仕事でして、投資代理業ではなく「日本企業向けのベネズエラ情報配信業」にご修正をお願いできますでしょうか。
弊社は日本企業にベネズエラの政治経済情勢は情報提供しますが、債券の売り買いの助言あるいは投資代理は行っていません。
投資業は基本的に金融機関での勤務経験や、コンプラ対応を行うことが出来る人員体制、預託金の支払いなど事業を行うにあたり一定の登録要件がございます。
無登録の業者は罰則の対象になってしまいますので、誤解を生むことがないようご修正をお願いできればと存じます。
今回のベネズエラ講演会のメインは松浦健太郎さんのレポートである。
話は2つあって、ひとつは2017年5月に松浦さんが発表したレポート。もうひとつはその後始まったトランプ政権の経済制裁の評価である。
その間に松浦さんの肩書きは変わっていて、17年5月にはジェトロのカラカス事務所勤務であったがが、現在は独立してベネズエラ投資代理業を立ち上げている。
会社名は株式会社 ベネインベストメント で役職名は代表取締役。会社の活動内容は以下の通り

ベネズエラは原油、金、鉄鉱石、ボーキサイトなどあらゆる資源が眠る大国。
極めて高いポテンシャルを秘める国でありながら不安定な政情、信頼できる情報の欠如、複雑な為替制度など先を見通すことが極めて困難な国でもあります。
ベネズエラでのビジネスは中立で客観的な情報を掴むことが何よりも重要です。
ベネインベストメントは現地に駐在し1,000件以上の投資貿易相談に応じてきた専門家の視点を通して現地の報道、法制度、経済統計などビジネスに必要な情報をお届けします。


まずは駐日大使館のホームページに転載された、「外国プレスが報じないベネズエラのもう一つの真実」という文章の摘要をとる。
これは「ラテンアメリカ時報 2017年 春号」に 「時事解説」として掲載されたものである。

はじめに 
ベネズエラの状況は極めて危機的で現政権が崩壊寸前のような印象を与える。
しかし、それについては疑問を感じている。

3重苦を乗り越えたベネズエラ
現在のベネズエラは一年前と比べると改善しつつある。
とくに2016年前期の状況が深刻だった。
1 つ目は原油価格の下落、2 つ目は電力不足、3 つ目は与党内部の混乱である。
1.原油価格の下落
原油市場は14年7月に急落した。そして15年12 月に2度目の急落があった。ベネズエラの原油
価格は1バレル24.25ドルまで下がった。
政府は財・サービスの輸入切りつめを迫られた。
2.電力不足
ベネズエラは電力の6割を水力発電で賄っているが、水不足で電力不足をきたした。
全国で一日 4 時間の計画停電が行われた。保冷設備が停止し食料品が腐った。
カードが使えず決済ができない。工場稼働も自粛を迫られるなどの影響がでた。
3.与党内の混乱
マドゥーロ政権は危機脱出のためアバッド経済担当副大統領に任命した。一連の引き締め政策は与党幹部議員の抵抗を招いた。
議会の2/3を野党がしめていたこともあり、政府の力は弱体化した。
この2016年三重苦は、政府が副大統領を辞任させ、経済緊急事態令という超法規的な措置をとることで終熄に向かった。
CLAP制度が作られ、生活必需品が直接市民へ低価格で販売されるようになった。

与党の権力基盤は強化傾向にある
17年現在、原油価格は1年前に比べ10ドル上昇した。雨量は多く停電の危険はない。与党の
内部分裂は回避された。
しかし一方で、物不足や高インフレは残っている。CLAPは状況を改善したが十分とは言えない。
世論調査では、マドゥロ大統領を評価する意見が増え始めている。その一方、野党統一党(MUD)の支持は激減した。
以下は松浦さんの所感で、おそらく大事なポイントである。
国会議員選挙で議席の 3 分の 2 を獲得しながら何も有効な対応ができなかった野党にする国民の失望は強い。

野党が国民の意見を代表するために
1.野党大勝の原因
2015年12月の国会議員選挙では、野党が大勝した。しかしこれは過大評価できない。
松浦さんの見方では、
チャベス元大統領は好きだが、マドゥロ政権は支持しないという態度がとられた。交代に重なって景気が悪化したためである。
2.野党はエリート集団である
松浦さんの見方では、
現野党はいつまでも一般大衆を代表する組織にはなれない。なぜなら彼らはエリート層の集団だからだ。
野党はリーダーの総入れ替えを含めた抜本的
な改革が必要だろう。
3.与野党間の三すくみ状況
世論調査では与党支持が3割、野党支持も3割、支持政党なしが4割となっている。

2017年のデフォルトは回避可能か
原油が1バレル60ドル以上なら債務危機は生じない。
45ドル以上なら条件付きで回避は可能。
特に必要なのは、外貨管理制度の維持をあきらめ自由相場制に移行することだ。
ただし自由相場制への移行は公共料金の急騰
をもたらし、与党の支持基盤である貧困層を直撃する。
これが現政権に実行できる可能性は薄い。

政局の見通し
省略

結論
短期的な展望は決して明るいものではない。しかし長期的には極めてポテンシャルの高い国だ。
①世界一の原油埋蔵量、天然ガス埋蔵量も世界8位
②金、ダイヤモンド、鉄鉱石、ボーキサイト、石炭など豊富な地下資源
③国民の消費意欲は旺盛で、必要不可欠な投資が山積している。
参入チャンスを逃さないために日本企業も引き続き同国の動きを注視していく必要がある。