あまり教えたくないけど、もし廃線になってしまったら、それも困る。
ということで、とびっきりの鉄道を紹介する。
それは根室本線で厚岸を出てから根室に向かうところだ。別寒辺牛湿原という。
皆さんは宮崎駿の「千と千尋の神隠し」という映画を見たことがあるだろうか。
あの映画のそろそろ終わる頃に、醜悪でシュールな温泉旅館から海の中を浮かぶように走る列車が登場する。顔なしお化けが横に座って、それが能面のように悲しみを湛えながら列車がしずしずと進むのだが、そんな場面が現実に存在するのだ。


厚岸の駅を出てから数分、突然視界を遮る一切のものが消え去る。360度が湿原となる。線路だけが砂利と枕木の分だけ僅かに高い。生き物はいるのだろうが人という生き物はいない。
こんな世界がおよそ20分は続く。
本当にあるんですよ。花咲線の根室行の列車、絶対に一度は乗ってください。あとせいぜい5年です。