先程、志位さんのインタビューを紹介した中で、「内外で米朝首脳会談について批判が多い」ということを前提にして、「決してそんなことはないのだ」という反論を展開していると書いたのだが、実はこの「批判」には二通りあって、一つは善意も含めて北朝鮮の信頼性への疑問が主調となる批判である。これは反トランプの立場からするリベラル勢力のシニシズムも含まれる。
これについては、反論する側にもそれほどの確信があるわけではないから、「まぁ歴史の判断に待ちましょう」というとこともある。
しかしNHKの「批判」にはそのような「率直な疑問」のレベルにとどまらない、好戦勢力の本音が隠されていると見なければならない。
このような勢力とははっきりと対峙して、米朝首脳会談の前進面をはっきりと擁護しなければならないのである。
以下の記事は会談が行われた翌日、6月13日のニュース報道が活字化されたものである。読みやすくするために多少文章をいじってあるので、正確に知りたい方は本文をあたっていただきたい。

2018年6月13日(水)  BSワールドウォッチング「米朝首脳会談 広がる波紋」 という番組の活字起こしだ。
朝のBSニュースは以前ひどいキャスターで、毎朝不快な気分で見ていたものだ。これは夜の番組だが、このキャスターも相当ひどい。NHKの国際政治担当には、静かな水面に石を投げ込んで波紋を広げる度し難い右翼分子が積み重なっているようだ。

① 最初の評価
共同声明では、朝鮮半島の完全な非核化への決意を確認したとする一方、焦点となっていた、非核化に向けた具体的な行動や検証方法、期限は盛り込まれませんでした。
ということで、クール派の代表となった。
② アメリカの反応の一面的紹介
またアメリカの反応は、“いろいろあるよ”という報道スタイルで、登場した人は3人。
「北朝鮮が約束を守らなければ、戦争になる」(共和党)
「これはアメリカにとって危機だ」(民主党)
「新しい内容は何も無かった」(国際政治学者)
これがNHKによる「各界の声」である。いろいろどころではない、攻撃一色だ。
③ 続いてワシントン駐在NHK記者の談話。
ワシントン・ポストは『具体性に欠け、楽観論に影を落としている』と報じた。
ニューヨーク・タイムズも『パフォーマンスとしては、最高得点だ』と皮肉。
特にトランプ大統領が、米韓合同軍事演習を中止する可能性に言及したことは『譲歩しすぎで危険だ』とみられています。
今後の交渉で非核化に向けた具体策を示せなければ、さらに批判が強まる…
という一段は引用元を示さず紹介。
その後、キャスターとの応答の中で批判はさらにヒートアップ。そしてついに米韓軍事演習をめぐって本音があらわにされる。
アメリカでは譲歩しすぎだという声、アメリカ軍の即応能力に影響が出るという懸念が指摘されています。
④ NHKは韓国を盾にしようとしている
その後、明らかに公共性・中立性を疑うとんでも発言までもが飛び出す。
(トランプは)在韓米軍の撤退の可能性まで言及しました。これは日本の安全保障上の大きな懸念となります。日本としては、在韓米軍の問題についてトランプ政権に働きかけを強めていく必要があります。
これは韓国への内政干渉に繋がりかねない重大な逸脱発言である。
北朝鮮が信頼できないというのは日本、韓国、アメリカに共通した不安感であるが、NHK国際部の不安はそこにあるのではない。彼らの不安は、“韓国に駐留する米軍が撤退してしまう危険”にあるのだ。
しかし在韓米軍をどうするかは、米韓が決めるべき事柄であり、日本がとやかく言う理由はないのだ。韓国民が自国の安全と引き換えに米軍駐留による損失や危険を甘受するのは、事の是非は別として有り得る話だ。しかし日本が韓国人に“米軍駐留を甘受し日本の盾となれ”と要求するなどありえない話だ。
さらに言うなら、心の底で密かにそれを期待しようとしまいと、公の場で口に出していい言葉ではないのだ。
こういう人たちが米朝首脳会談の批判者の中に紛れ込んでいるのだから、私達はこのような“ためにする批判”をきっぱりと拒否して、“彼らを政治的に追い詰める”必要がある。そういう点にも首脳会談の意義があるということを、もっともっと強調していかなければならないのだろうと思う。