米朝首脳会談の歴史的意義、今後の展望を語る 
志位委員長インタビュー 

A)新しい米朝関係の確立 
「戦争と敵対」から「平和と繁栄」へというのが、4項目の合意の論理構成だ
第1項 平和と繁栄に向けた新しい米朝関係
第2項 朝鮮半島に永続的で安定した平和体制
第3項 朝鮮半島の完全な非核化に向けて取り組む
つまり、米朝関係を根本から変えることが一番の要になっている。そのために朝鮮半島に平和体制を築くことが必要であり、そのために「完全な非核化」が必要になるという論建てになっている。

B)「具体性に乏しい」のは合意が根本に関わっているから
「具体性に乏しい」などの否定論や懐疑論が流布している。それらはこの合意が非常に根本的だという点を見逃している。
①今回の合意は歴史上初めてのものであり、不可逆的な重みがある。 これは始まりであり、行動して挑戦する人々の、大胆な旅程の始まりである。(文在寅・韓国大統領の発言)
②「過去にも同じような合意があった」というのは間違いである。これは首脳間の初めての合意である。94年の「米朝枠組み合意」も05年の「6カ国協議の共同声明」も実務者合意でしかない。
③核戦争の脅威から抜け出す可能性 文大統領: 戦争の脅威から抜け出したこと以上に重要な外交的成果はない。 いま大事なことは、平和のプロセスを前に進めるために、世界中が協力することだ。

C)米朝合意と日本共産党の立場 
この間、「対話による平和的解決」路線が進んできた。具体的に経過を追ってみたい。 
第一の節目 去年2月、トランプ新政権がオバマの「戦略的忍耐」を見直す。このときから「外交交渉によって北朝鮮に非核化を迫る」戦略を提示。
第二の節目 昨年8月、北朝鮮が核・ミサイル実験。軍事的どう喝の応酬。米朝両国に「無条件で直接対話を」呼びかける。
第三の節目 2月の平昌五輪がらみで平和的解決の歴史的チャンスが生まれる。
「朝鮮半島の非核化と北東アジア地域の平和体制の構築を一体的、段階的に進める」よう提案。

D) 平和のプロセスを成功させるために  
①非核化プロセスと「約束対約束、行動対行動」の原則
②関係各国、国際社会の協調した取り組み、諸国民の世論と運動がだいじ

E) 日本政府のなすべきこと
①「対話否定」「圧力一辺倒」という立場を捨てること。
対話による平和的解決の対応
②日朝平壌宣言(2002年)を基礎に据えること
拉致のみにこだわらず、交渉を続け、包括的解決の道筋を貫くこと
③日朝国交回復をふくむ東アジアの平和の枠組みについて合意を目指すこと。

F) 北東アジアの平和秩序と日本共産党の「北東アジア平和協力構想」
日本共産党は、2014年の第26回党大会で「北東アジア平和協力構想」を提唱している。 これはASEANが創設した、東南アジア友好協力条約(TAC)に学んだものである。
一番中核的な考えは、北東アジア的規模でのTAC(友好協力条約)を結ぼうというものである。対象国は6カ国協議を構成している6カ国である。 (内容は略)

G) 北東アジアTACと日米安保条約
「北東アジア平和協力構想」は、軍事同盟が存在するもとでも平和協力ができるという前提で作られている。 軍事同盟をなくすというのは次の課題になってくる。 しかし大きく展望が開けてくることは間違いないだろう。

H) 21世紀世界における「帝国主義」 
21世紀の世界では、戦争と平和の力関係が大きく変化している。 こういう世界では、もはや独占資本主義国イコール帝国主義とはいえなくなっている。
米国であっても、戦争と平和の力関係が変わるもとで、いつでもどこでも帝国主義的行動をとれなくなっている。
この観点から言うと、アメリカの制作を分析する場合、つねに複眼的に評価しなければならない。
ということで、最後に柳沢協二さんの発言を引用してインタビューを閉じる。
米朝合意は「戦争によらない問題解決という選択肢を世界に提示する世界史的分岐点をはらんでいる」
これだけエポックメイキングな出来事だることを強調しておきながら、なぜこれがエポックメイキングなのかを自分の言葉で語ろうとしない、まことに異例な論理展開である。目下のところは、少し勉強してからでないと、さすがにすんなりとはうなづけないところがある。


志位さんの提起は今回の米朝首脳会議を、“21世紀論の文脈”で読み込めという提起なのだろうと思う。
それはそれとして非常に正しいと思う。
ただ21世紀論として読み込む場合には、どういう21世紀論を念頭に置くかでだいぶイメージが異なってくる可能性がある。
帝国主義論と関連付けるのであれば、まずは帝国主義論のもう少し多角的な展開と検討が行われないと独断の誹りを受けることになるかもしれない。
それにしても各界の反応、鈍いな。一番困るのは言いっぱなしになることだから、一応コメントは上げておくことにする。