どうもまことに不思議な事件だ。
事件の経過
総武線の幕張本郷駅で、痴漢が捕まり、その置換が取り調べのすきをついて逃げ出し、架線を支える電柱によじ登って立てこもった。
結局2時間後に“保護”されたのだが、なんとズボン、靴下を脱いで下半身はパンツ一丁という、中途半端にハレンチな状態で2時間も頑張ったのだと言う。
男の立てこもった電柱は、電車に電気を送る電線がむき出しではりめぐされ、触れば即死という環境。助かったのは何よりだった。被害者には申し訳ないが死んで許しを請うほどの罪ではない。
よじ登ったのが土曜の夜10時、“保護”されたのが12時と言うから、居合わせた人には大迷惑ではあるが、仕事に差し支える時間ではないから、「まぁ、飲み直そうか」ということかな。
推定される発症機序
発症の機序はおそらくパニック障害で、逃避反応として説明できる。ベースのメンタルには解離性人格障害(むかしで言うヒステリー)があったのだろう。
しかしそれだけで済ませられるかというところが大問題だ。
第一に、「痴漢として捕まった」ことが、瞬間に人格を崩壊させるような強烈なストレッサーになりうるということを示す症例だ。
非常に珍しいケースで、しかも社会病理の一現象の可能性があって、「東京という大環境」抜きには現れない反応ではないか。
第二に、無意識のうちに下着を脱いでしまうというのは、20年くらい前に有名な男性タレントが酩酊して公園で裸になり、警察のお世話になったという事件があった。 別に露出狂というのではなく、人に見せるというのでなく、脱いでみたくなるという意識下の欲望というのがあるのかもしれない。
考察されるべき事件の特殊性
ということで、今回の事件の興味は痴漢行為で捕まった時の心理状態に、他の状況とは異なる特殊性があるのかということ。 もう一つは脱衣行為というのが逃避反応(憑依)の一型としてあり得るのかということである。
これからワイドショーでやるだろうから、少し注意してみておこう。