ついで光電効果

これも歴史的に見ていく必要がありそう。光電効果そのものより、それが量子論にどう結びついていったかが問題だ。

例によってウィキから始める。

光電効果(photoelectric effect)は光起電力効果とも呼ばれる。
光電効果には外部光電効果と内部光電効果があるが、普通は外部光電効果を指す。

ということで、面倒なので外部光電効果にジャンプする。

物質に光を照射したとき、物質が電子を放出する現象。
この現象は物質に一定の振動数以上の光を照射した時のみ発生する。その限界値は物質の種類によって決まっている。入射光の強度にはよらない。

つまり、熱効果ではないということである。短波長効果、俗に言えば「紫外線効果」ということになる。

1839年、ベクレルの実験: 薄い塩化銀で覆われた白金の2つの電極を電解液に浸し、片方に光を照射した。
この結果電極間に光電流が生じた。これは「ベクレル効果」と呼ばれ、光起電力効果に関する最初の報告となった。

そのあと、あまり注目されることなく経過したようで、50年後にやっと本来の短波長光線の光電効果に関する発見が報告される。

1887年、ヘルツが亜鉛の板に紫外線を当てると電気を帯びる現象を発見。
1888年、ハルヴァックスという人が、金属に紫外線を照射すると、電子が表面から飛び出す現象を報告した。

これがベクレル効果の本態だと理解されると、短波長光のもたらすベクレル効果に注目が集まった。

その中でレーナルト(熱心なナチストで反ユダヤ主義)の研究が優れている。
1.電子を放出させる光は短波長でなければならず、そこには限界値がある。
2.波長をさらに短くすると、飛び出す電子の数は変わらずに、運動エネルギーが増える。
3.強い光を当てると、飛び出す電子の数が増えるが、電子1個あたりの運動エネルギーは不変である。

これらの現象は従来の物理学では説明できなかった。

1905年、アインシュタインが光量子仮説を提示した。光はエネルギーhνを持った粒の集団であり、光子が吸収されるときのエネルギーは

hν= P1+P2+eV

で表される。

ここでP1 は電子を原子から引き離すエネルギー(イオン化エネルギー)、P2 は物体表面から電子を飛び出させる仕事、eV は解放された光電子の運動エネルギーである。

金属では多くの電子が原子から離れて、金属内を自由に運動しているので、 P1 = 0 と考えることができる。したがって

hν> P2 

ならば電子は金属表面から飛び出すことができる。

1912年 ミリカンは電圧を発生させるνの限界値の傾き
h/e
をもとめ、得られた h が黒体輻射の実験から求めたプランク定数 h と一致することを確認した。これによりアインシュタインの仮説は証明された。