「熱」の概念
分かっているようで曖昧なのが「熱」の概念。
思いつくままにあげると
1.物体の状態の一つで、温度で示される。人体には熱いか冷たいかという感覚を通じて認識される。
2.物体の活動性が上がり、分子の自由度が高まれば温度は上がる。物体の活動性が下がり、分子の安定性が高まれば温度は下がる。
3.熱は熱線の作用によるものであり、赤外線の振幅の増大によリもたらされる。
4.赤外線をもたらすのは、分子からの電子の遊離である。電子の遊離は分子の結合によりもたらされ、分子の分離は熱を奪う。
ということで、結局、よくわからない原因は「熱」が物質ではないこと、物質のひとつの姿であり「形容詞」であること、その姿を現象させているのは熱(光)エネルギーであること、ひっくり返して言うと、熱エネルギーが自らを表現する過程であること、などなどである。
したがって、「熱」については、たんなる感覚ではなく、作業のための定義と単位が必要だ。
もう一つ、これらの定義によっては光電効果を説明できないことだ。これが量子論へのブレイクスルーなのだろうと、薄々見当がついてきた。

これ以上考えていても、話は進んでいかないので、とりあえずウィキの「熱」の項目。「熱過程」というのは私の造語。

「熱」の定義
1.慣用的には、肌で触れてわかる熱さや冷たさといった感覚である温度の元となる概念である。それはエネルギーの一つ、熱エネルギーだろうと考えられる。
2.物理学的には、熱は“過程”として理解される。それは異種物体間のエネルギー伝達である。
3.温度差のある系の間で内発的に伝達されるエネルギーを熱と呼ぶ。
熱過程は雑駁に言えば“物体A→エネルギー→物体B”という過程であり、「熱力学的過程」と言ってもよい。
それは物体が熱平衡状態に近づく、期間限定の不可逆過程であり、熱平衡が実現すれば消滅する。
熱過程がエネルギー伝達過程であるならば、そこにはエネルギーの伝達体が想定される。かつて“熱素”の存在が想定されたが、現在では否定されている。
熱過程は熱伝導を基本とする。対流や放射は熱エネルギーの移動形態ではなく、別個のメカニズムによるエネルギー移動形態であり、別の法則で挙動する。


熱過程はあくまでも“物体間のエネルギー伝達過程”であり、エネルギーの生成過程はふくまれない。これについては後述。