シューマンの蝶々は名曲とは言えないかもしれないが、謝肉祭と並んでわかりやすくて景気のいい曲だ。
あまりYou Tubeに音源が多いわけではないが、そこそこ聞ける。
今回聞いたのはエゴロフ、アラウ、リフテル、レイヌ・ジャノリの4種類。いずれも良い演奏だ。結局好き嫌いの話になるから、その時々の心理状況にも影響される。腕前から言えばリフテルが圧倒的で、しかもこれはコンサート・ライブだが音質テストのサンプルにしてもいいくらいのすごい音質だ。ただ、「そこまで攻め込まなきゃなんないほどの曲なの?」という感じが残る。フィナーレは明らかにやりすぎだ。
エゴロフもだいたい似たような攻め方をしていて、もっとシャープだ。レイヌ・ジャノリは私のお気に入りだから、これはもうしょうがない。
というわけで最後に、期待もせずアラウの演奏を聞き始めた。これが意外にすごい。とくにリズムのとり方が独特で、「これがシューマンの演奏じゃないの?」という感じで説得される。
Silent Tone Record/シューマン・ピアノ作品集/クラウディオ・アラウ/欧PHILIPS:6768 084/クラシックLP専門店サイレント・トーン・レコード
というページでとりあえず聞くことができる。盤起こしなのだろうか、通常のCDを越えたすごい音がする。ただし3分で切れる。
意外な取り合わせの一つかもしれない。わたしは同じような「意外な取り合わせ」としてルビンステインのシューベルトを聞いたことがある。
人間何ごともやってみなければわからないものだ。