2017年
1月 トランプが大統領に就任。新政権は朝鮮に対して「最大限の圧力」で厳しく対応する方針を打ち出す。

4月 シリアに対し巡航ミサイルトマホーク59発が発射される。トランプ政権は北朝鮮に対するメッセージでもあると言明。

5月8日 北朝鮮の崔善姫北米局長とアメリカ元政府高官らが非公式の接触。

5月 ポンペオCIA長官が極秘に韓国訪問。北朝鮮工作を協議する。

5月 北朝鮮、CIAと韓国の国家情報院が金正恩朝鮮労働党委員長の暗殺を試みたと主張。

6月2日 国連安保理、対北朝鮮制裁強化決議を全会一致で可決。

6月 日本海に原子力空母を2隻、原子力潜水艦も2隻展開する。戦略爆撃機のB-1が北朝鮮のミサイル発射台に擬した目標の爆撃訓練を繰り返す。

6月 北朝鮮に拘留中のオットー・ワームビアが昏睡状態となり、米国移送後死亡。トランプは北朝鮮を強く非難。

8月5日 国連安保理、石炭や鉄鉱石などを全面禁輸する制裁強化案を全会一致で採択。

8月 北朝鮮、グアム攻撃計画を策定すると発表。トランプは「グアムに何かすれば誰も見たことないことが北朝鮮に起きる」と反撃。

9月 アメリカの圧力を受けたメキシコとペルー、北朝鮮大使を国外追放する。

9月 北朝鮮が6回目の核実験。水爆実験と自称。国連安保理は原油や天然ガスの規制。北朝鮮労働者の就労を禁止する制裁強化決議を全会一致で可決。

9月 トランプと金正恩が罵倒の応酬。

9月 ティラーソン国務長官、米朝が直接接触する経路を持っていることを明らかにする。

11月 大陸間弾道ミサイルの実験。人工衛星「火星15号」を自称する。金正恩は「国家核戦力の完成」を宣言。 

11月 トランプが韓国を訪問。これに呼応し空母3隻を日本海に投入して演習。

11月 アメリカ、北朝鮮を9年ぶりにテロ支援国家に再指定。

11月 ティラーソン国務長官、海上封鎖を呼びかける。北朝鮮は「海上封鎖は戦争行為と看做す」と声明。日本が難色を示したため保留。

12月 アメリカ、北朝鮮をイランとならぶ「ならずもの国家」に指定。

12月 国連安保理、対北朝鮮制裁強化を決議。石油輸出の9割削減、北朝鮮労働者の本国送還を決定。

2018年
1月 金正恩、平昌五輪に向けた南北会談も可能だ」とする新年の辞。トランプは「米朝対話の窓は開かれている」と応じる。

1月 アメリカの呼びかけで、国連軍派遣国+日本・韓国の外相会合。平昌五輪に向けた南北対話が非核化対話に進展することを期待。

1月 ポンペオCIA長官がインタビュー。「北が米国本土に到達する核ミサイルを完成させるまでにあと数ヵ月しかない。それが最大の脅威だ」と語る。

2月 平昌オリンピック開会式。北朝鮮No.2の金永南、金正恩の妹の与正が参加。金委員長の親書を手渡して文大統領の訪朝を要請。要請は国家情報院からCIAに連絡され、ポンペオ長官からトランプ大統領にもたらされた。

2月25日 ホワイトハウス、北朝鮮が米朝対話の意志を表明したとし、「北朝鮮のメッセージが非核化に向けた第一歩なのか確認したい」と語る。

3月05日 南北首脳会談実現のため、二人の特使が北朝鮮を訪問。肩書は国家安保室長と国家情報院長であった。首脳会談を4月末に開催することで合意。金正恩は非核化の意欲を示す。

3月08日 韓国代表団がアメリカを訪問しトランプに経過を報告。トランプは「5月までに米朝首脳会談を行う」意向を示す。ここまで米国務省を通していない可能性。

3月9日 共産党の志位委員長、談話「米朝首脳会談への動きを歓迎する」を発表。

3月 安倍晋三首相、「ほほ笑み外交に目を奪われ、ぶれてはならない」と語り、対話を拒否する姿勢。

3月13日 トランプ、ティラーソン国務長官を解任し後任にポンペオCIA長官を充てると発表。ポンペイオは「核実験とミサイル発射実験の停止に加え、非核化が約束されなければ首脳会談は行わないと発言。

3月16日 ニューヨーク・タイムズ、会談準備はCIAー韓国国家情報院ー北朝鮮の「偵察総局」の間で行われていると報道。

3月22日 マクマスター国家安全保障担当補佐官が解任される。後任には元ネオコンのボルトン元国連大使が指名される。

3月25日 金正恩が北京 を訪問。朝鮮半島の非核化を支持する発言。また米朝対話にも意欲を示す。中国は最大級の歓迎。習近平の報告を受けたトランプは「金正恩が私との会談を楽しみにしていると語った」と伝える。

3月26日 ホワイトハウス、「金正恩の北京訪問は確認できないが、米朝関係が以前より改善しているということは言える」と論評。

3月末 ポンペオCIA長官が極秘訪朝し金正恩と会談。(4月17日、安倍首相訪米中に明らかにされる)

4月9日 トランプが記者会見。金正恩との会談が5月か6月上旬に開催されると表明。
驚くべき発言: 米朝関係は1世紀にわたる戦争や敵対の歴史だった。それとはかなり異なる関係となることを望む。非核化に関する合意を実現し、相互の敬意を示し、友好的な基盤を築くことができるだろう。
4月9日 朝鮮労働党の政治局会議、金正恩が米朝対話の展望を分析。詳細は不明。

4月21日 北朝鮮、核実験と大陸間弾道ミサイルの発射を中止し、核実験施設も廃棄すると発表。既存の核兵器やミサイルのあつかいは明示せず。

4月24日 トランプ、北朝鮮に対し核開発計画の放棄を呼び掛ける。金委員長について「非常にオープン」で「とても立派」だと表現。

これだけ見ても米国と北朝鮮が、したたかにダブル・トラックで関係を探っていることが分かる。
メディア報道の表面に浮かんでくるのはハードラインばかりだが、交渉への糸口も常に探られていた。だから平昌五輪→文大統領の特使派遣→金正恩の非核化発言とトランプン歓迎発言はしっかりした筋道づくりの上に成り立っているのだ。
中国もこの筋道を知らなかった。だから焦って北歓迎の大キャンペーンを張った。安倍首相は完全に周回遅れになってから、置き去りにされたことに気づいた。という経過らしい。

ところで「政策対政策、行動対行動」というのが、どうもイマイチ具体的でないとこぼし続けてきたが、富坂聰さんの記事がある程度ヒントを与えてくれる。
東アジア・クライシス 第8回 米・朝・韓に取り残された安倍外交の敗戦
というものだ。
中国とロシアは米朝が対話の道へと進むことの前提として、米韓が合同軍事演習を当面停止し、対する北朝鮮も核・ミサイル実験を一時的に凍結するダブルフリーズ(双暫停)で合意している
と書かれており、このダブル・フリーズというのが「行動対行動」の核となるものだろう。
これに対して、非核化は政策、あるいは約束に属するものでもう少し信頼を醸成しながらの長期のものになるのだろう。