相撲協会は謝罪声明一本で済まそうとしているようなのでますます怒る。人殺しは「不適切な行為」では済まないぞ。これで済ますつもりならこれは謝罪ではない。少なくとも伝統を重んじる人間がなすべき「謝罪」ではない。
春日野巡業部長は「トイレに行っていた」と言い訳をしているようだ。土俵下に座っていたら、行司の繰り返すアナウンスを看過はできないはず、だね。それにしても巡業先の地元市長が土俵で挨拶しているのにトイレに行くとは「伝統」にそぐわない行為だ。もしトイレが嘘だとすれば主犯は春日野親方ということになる。端的に言って一介の行司が単独でそこまで判断できたのだろうかとも思う。
一言で言って、相撲協会は無責任で事態の深刻さを認識していない。これでは残念ながら再発必至だ。救命医療関係団体は相撲協会に対して、きちっとした抗議文なり警告文を発するべきだ。そして一連の事態が「見殺しの強制」であり、犯罪行為そのものであることを明らかにすべきだ。
メディアはその後ずいぶん報道しているが、全てツボを外している。「気持ちはわからないではないが」などと口が裂けても言うべきではない。これは「見殺しの強制」なのだ。もし救急隊がこなければ、「行司」は場内放送では済まさずに女性の実力排除に出た可能性もある。
これは女性が怒るべき問題ではないし、伝統と人権の関係でもない。救急・救命に携わり命に関わる人間が真っ先に怒るべき問題なのだ。
伝統が問題ではない。良識あっての伝統の尊重であって、良識なき伝統は狂気にすぎない。
問題は人命救助の妨害行為なのだ。救助人を後ろから撃っている。しかも協会の権威を傘にきた威力行使を伴っている。しかも妨害は意図的であり、宗教的確信に基づいている。
今回の事態は法的にはどのような犯罪に該当するだろうか
さきに結論から言うと、これは虐待にもっとも近いあつかいとなるだろう。親が宗教的信念にもとづいて子供を虐待する。ネグレクトや放置はその一形態だ。蘇生措置を中断させるよう強制する行いは究極・最悪のネグレクトだ。
工場で火事が起きた。消防車が駆けつけた。それを工場の正門で「伝統だ」といって立ち入り拒否しているようなものなのだ。子供の手術を拒否するエホバの証人とおなじなのだ。

刑事罰に相当しないか、少し調べてみた。
1.救急車の業務妨害
緊急走行中の救急車に道を譲らなかったり、走行を妨害したりしたときについて
シェアしたくなる法律相談所というページから引用
行為そのものに対する罰
道交法40条、120条1項2号により、5万円以下の罰金が科されます。
これが刑事罰
違反点数1点、反則金6,000円
これが行政罰
つぎに実害が生じた場合
因果関係や故意・過失が立証されれば、民事上ないし刑事上の責任を負う。これまでは立証は困難だったが、ドライブレコーダーの普及により事情が変わる可能性あり。
今回の舞鶴のケースは証拠はバッチリ残っているな。これでは隠蔽も改ざんも不可能だ。
2.市民による救急促進と保護
次に公務執行妨害というのがある。今回のケースは公務員の業務ではないから、外形的には「公務」ではない。しかしきわめて公共性の高い「業務」だ。これに関連した判例はないだろうか。
とりあえず見つけたのが以下の文章
自治省消防庁救急救助課「交通事故現場における市民による応急手当促進方策委員会報告書」
イ 救命手当の実施義務
交通事故により被災者が心停止等の状況にある現場に遭遇した時、居合わせた一般市民が、何ら救助の手立てをとることなく、傍観者の立場にあることは、状況によって非難されるべきであるかもしれない。その意味では、少なくとも、道義的には一般市民にとっても、救命手当の義務があるといえる。しかし、現行法にあっては、一般市民に救命手当の法的な義務があるとは言えない。
ということで、市民(とりわけ有資格者)による救急は保護・奨励されている。これは法令ではないが裁判等においては十分勘案すべき事情である。
3.救急活動のネグレクトは指弾される
4月3日の大紀元ニュースでこれは中国の事件。
中国四川省徳陽市中江県で自動車衝突事故が発生した。2台のうちの白い車がその後炎上した。
住民らは通りかかったバスの運転手に消火器を借りようとしたが、拒否された。
その後、白い車は火が燃え広がり、地元の消防隊が駆け付けて来たが、車内にいた2人は死亡した。
その後の経過は不明だが、世論の袋叩きにはあっている。今回は不参加ではなく「やるな!」という呼びかけだから、ただの世論による非難だけでは済まないと思う。
4.最悪の作業妨害
これは少し前の記事。『平和新聞ながさき版』(06年11月05日)による。
米海軍前畑弾薬庫(佐世保弾薬補給所)敷地内で火災が発生し、弾薬の運搬や貯蔵に使う木製の台を保管する木工作業所が全焼しました。
市消防局は協定に基づいて再三再四、計7回にわたる応援出動を申し入たが、基地側が拒否したそうです。
この事件は、その後ウヤムヤになってしまった。このケースは「伝統」の代わりに「軍事」と入れればまったくおなじ論理だ。

5.「エホバの証人」の手術について
過去においてはいろいろな対応があったが、今日では主体的判断ができる成人の場合は本人の意志が尊重されることになっている。しかし私なら受けない。どうせ他に行くのだから解決にはならないが。
問題は患者が子供で、輸血を拒否していない場合だ。
基本的には親は子供の輸血を拒否することは許されず、もし固執するなら親権を剥奪することになっている。

下記はその一部
15歳未満または判断能力がない場合
(2) 親権者が拒否するが,当事者が15歳未満,または医療に関する判断能力がない場合
① 親権者の双方が拒否する場合――医療側は,親権者の理解を得られるように努力し,なるべく無輸血治療を行うが,最終的に輸血が必要になれば,輸血を行う。親権者の同意が全く得られず,むしろ治療行為が阻害されるような状況においては,児童相談所に虐待通告し,児童相談所で一時保護の上,児童相談所から親権喪失を申し立て,あわせて親権者の職務停止の[保全]処分を受け,親権代行者の同意により輸血を行う。
② 親権者の一方が輸血に同意し,他方が拒否する場合――親権者の双方の同意を得るよう努力するが,緊急を要する場合などには,輸血を希望する親権者の同意に基づいて輸血を行う。
問題はこの親権剥奪措置に親が逆らう場合だ。しかしそれについての言及はない。

6.会場を貸した側の責任
もし、市長の身に万一のことがあった場合、相撲協会に会場を提供した側の責任が生じるかもしれない。
最初にも言ったように相撲協会は真剣に反省していない。誤ちの因って来る原因(風土)を剔決しようとの姿勢も感じられない。内部処罰を検討している様子もない。新兵一人に罪を押し付けて済まそうとしている。昔の軍隊と同じだ。だから彼らは累犯の可能性が高い。
相撲協会がこういう組織だということを知っていて貸すのなら、民事上の責任が問われるかもしれない。少なくとも、貸館契約の際は救急救命の際には女性の出動を拒まないという一札を取り付けておかないと、次は共犯の疑いを受けることになるだろう。

常に遠くへ というブログに面白い写真がありました。
説明は
そんな神聖な土俵に…女性はダメでも フェラーリはいいんですか❔
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