青空文庫に下記名の文章があった。


まことにありがたい文章である。

文章の由来は少々面倒だが、こういうことだ。

昭和のはじめころ、岩波書店で「カント著作集」というセットを発売した。
その第11巻に『自然哲学原理』が収載された。その翻訳を担当したのが戸坂潤であった。
翻訳が完了したのが1928年(昭和3年)のことであった。戸坂はこの第11巻のために解説を書いた。この解説が脱稿したのが7月のことであった。
文頭あいさつのところに、「読者は「解説」に依頼するべきではないであろう」と書いているが、大きなお世話である。
この『自然哲学原理』をふくむカント著作集・第11巻は翌1929年の7月に発売になっている。
そしてこの解説は、40年後にカント著作集から抜き出され、1966年に戸坂潤全集の第1巻の一部として勁草書房から出版された。
この戸坂潤全集から、青空文庫のボランティアの方が拾い出し、インターネットにアップしてくれたという経過である。
戸坂潤全集の第1巻というのはたしか持っているはずだと思って探してみたらあった。ただしこの文章は巻末付録みたいな扱いで載っているので、気が付かなかった。と偉そうに書いたが、そもそもこの本、ほとんど読んだ形跡がない。多分、古本屋の軒先の均一本で出ていたのを「あぁいたわしや」と買ったのではないかと思う。