高校化学の廃止を提案する
高校化学は無用だけでなく、理系嫌いを増加させ有害だ。

化学というのは「物質とは何か」を追求する学問なのだと思う。
ただし、物理学もおなじように「物質とは何か」を追求する学問だ。その名の通り、まさに「物のことわり」を探る学問である。そこへ行くと「化学」は、名前からして物の科学ではなくて化物の科学である。
中世の錬金術の延長の上に考えるとすれば、化学は物質をいじるためのノウハウの積み上げと言えるかもしれない。
ウィキで「化学」を引くと、ものすごい量の「…化学」が出てくる。つまり、化学は自然科学の一分野というよりは「化学的な視点」というふうな、いわば心構えの問題なのかではないかとも思われる。

問題はここから先で、このようにとらえどころのない、間口だけがだだっ広い「学問」を高校の授業で教える必要があるのだろうかという問題である。

率直なところ日常生活に必要な知識は酸と塩基くらいのものだ。
基本的にはそれ自体が応用学問だから、それほどエレメンタリーなものでもない。
例えば有機化学はむしろ有機物に引きつけて生物学で教えたほうがよい。
熱力学はエネルギー不滅の法則と結びつけて物理学として学んだほうが理解が容易である。
電子については素粒子論として物理学であつかうべきだ。
ということで、私の提案としては高校理科の選択項目から化学は外すべきだということになる。
その分、物理と生物を増やすべきだ。とりわけ人間生物学(医学)の分野を大幅に拡充すべきと考える。