マーシャル・ガンツというアメリカ人がいて、オバマ選挙の勝利に貢献したというので大変話題になって、一時は日本でも随分取り上げられたようだ。

中身は地域・社会組織論でその手法が注目されたようだが、日本の若者受け止めが思わず笑ってしまうほど無思想なのだ。何かビジネス書とか自己啓発書を読む雰囲気で話が進んでいく。
マーシャル・ガンツの社会変革の思想は見事に換骨奪胎され、その手法や論理の骨格だけが恐竜の骨格標本のように鑑賞の対象とされる。

佐藤 慶一さんのページではガンツの理論が「コミュニティ・オーガナイジング」として紹介されている。日本語で「地域活動論」といってはだめなのか? この辺がよくわからない。
講演会の横一文字は「ハーバード流リーダーシップ  マーシャル・ガンツ博士」となっている。オバマ選挙で有効だったので、選挙に勝つための秘策「票田組織法」として勉強しようという姿勢なのかもしれない。だとすれば、それは邪道だが、邪道から入っても正しい方向に変わるのは可能だから、とりあえず歓迎。
最初に佐藤さんによる「コミュニティ・オーガナイジング」の説明。
変化や変革が生まれる時に創造的なリーダーシップが必要だ。リーダーシップは学ぶことができる。そのためには、行動を起こし、何度も失敗しながら挑戦することが必要である。
こうしたリーダーが、人々を巻き込み、多くの人の力を戦略的に用いて社会変革を実現していく
これでは全く啓発ものの本と同じだ。
若者の皆さん、彼が若者として活動を始めた頃、日本には遥かに大規模な若者の運動があって、活動の理論もはるかに高度に組織化されたものだったのです。言っちゃぁ悪いけど、アメリカなんか目じゃぁなかったんだよ。
ということをチラチラと考えつつ、マーシャル・ガンツを紹介しておこう。
ウィキペディアによれば
Marchall Ganz, 1943年。ハーバード大学を中退し公民権運動を担う市民運動家となった。
48歳になってから大学に戻り、自らの運動経験をモデル化した。オバマ大統領の選挙参謀として、パブリック・ナラティブとコミュニティ・オルガナイジングの手法を用いて勝利したことで有名となる。
これだけでは流石に足りないので、他の複数の記事から取捨選択していく。

1960年にハーバード大学入学後、1964年に中退しミシシッピ州の公民権運動にボランティアとして参加する。
その後カリフォルニア州の農場労働者組織のディレクターとなり、80年代から選挙キャンペーンなどに関わる。
大学を脱落した理由を彼は次のように語る。
一番大きな理由は、私が21歳だったということでしょう。公民権運動の中心にいたキング牧師が、最初に「モンゴメリー・バス・ボイコット事件」を行ったのも25歳でした。
父親はユダヤ教のラビで、私たち家族は1946年から4年間、ドイツに住んでいました。父はホロコーストを生き延びた人たちといろいろな仕事をしていました。
両親は、「ユダヤ人虐殺は、反ユダヤ主義の結果ではなく、人種差別の結果なんだ」と言いました。
人種差別が起きると、人間がモノになってしまうんです。公民権運動は、このような人種差別に反対するために行なった運動です。
ナラティブ(宣言)
“ナラティブ(narrative)”に、“戦略(strategy)”、“アクション(action)”、“関係(relationship)”、“構造(structure)”を加えたものがフレームワークとなります。
もちろん、もっとも重要なものはナラティブです。これが基本中の基本、すべての価値観の土台を構成することになります。
ナラティブというのは彼独特の言い方だが、自らが形成してきた原則的な価値観の表明ということのようだ。そういう点では「宣言」という表現が一番近いようだ。
あとは戦略とかスキルとかノウハウとかガッツだとかいうものだから、二義的なものである。

そこをガッツはこう語っている。
効果的な行動をとるには“手”が必要です。いい戦略は“頭”で考える。“心”には勇気をもたなければならない。この組み合わせが大切です。つまり、強い心を持ち、頭の中には高いスキルを持ち、さらに効果的に手が動くようにしておく必要があります。この3点セットが上手くいく…
本人がそう力説しているのに、紹介者の若者がてんで理解してくれないのが困るのだが。

ということで、日本語ではこれくらいしか読めない。

多分、それはサンダース現象の一部を構成しているのだろうと思うのだが、わざわざ英文で読もうという気にもなれないので、これにて一旦終了。