いくつかのレビューでも明らかにされているように、ベネズエラの目下の経済的苦境はアメリカの経済封鎖、とりわけ金融封鎖によるものであって、政府の失策とか「社会主義の失敗」によるものではない。
ただ、それだけではなく、石油依存国家で実体経済をどう運営していくかという特殊なノウハウの問題も含んでいる。したがって下記の問題を留意しながら、分析を進めなければならない。
2012年08月12日 エコノミストはベネズエラを評価している より一部引用
何度も強調するのだが、この国の経済運営はオーソドックスな手法ではやっていけない。
この国の実体経済の規模をはるかに上回るすごい勢いでドルが行き来している。
しかもこいつは“オイルダラー”と言って、世の中で最も流動性が最も高く、投機性がもっとも強く、たちの悪い資金だ。いざとなれば瞬きするあいだに目の前から消えてなくなる。
この投機資本と国内経済と実体貿易はどこかで遮断しなければならない。収支は短期の資本収支も合わせて評価しなければならない。サウジのように貧困者を徹底して無視し、反抗者を徹底的に押さえつければ経済は安定する。
しかしチャベスのごとく貧困者の生活水準を引き上げれば、インフレは必至であり、放置すれば経済を破壊する。
さりとて、輸入自由化で物価を安定させようとすれば、たちまち巷には失業者があふれることになる。
こういう中で経済運営をした経験は日本人にはない。だから我々は個々の失敗について四の五の言うのではなく、こうした経験から虚心坦懐に学ぶべきであろう。
私は以前から、連帯運動というのは「学ぶ運動」だと考えている。与える運動ではなく、与えられる運動なのである。