ーツァルトのディヴェルティメント

すみません。まったく自分の心おぼえだけのために、このファイルをアップします。

しかも、中味は森下未知世さんのサイト「Mozart con grazia」の抜粋にすぎません。

このサイトはとても親切で、ダウンロードした曲を整理するのにとても役に立ちます。「個人的な好みを語ることは野暮である」と考える方らしく、要点をきちっと教えてくれるのがありがたいところです。

こういう方の個人的な好みを」お聞かせ願えればとも考えますが…


ディヴェルティメントは「喜遊曲」と訳されている。ヴァラエティに富んだジャンルで、楽器編成も様々だった。

セレナードは編成がかなり大きく、8楽章が典型である。ディヴェルティメントの方は室内楽的で、6楽章が多い。

「新モーツァルト全集」ではディヴェルティメントを3つのグループに分類している。

  1. オーケストラのためのディヴェルティメント、カッサシオン
  2. 管楽器のためのディヴェルティメント
  3. 弦楽器と管楽器のためのディヴェルティメント

しかしモーツァルトがそのような区分を意識していたとは思えず、そのときどきの事情に応じて考えていただけではないか、と思われる。

 1. ディヴェルティメント 第1番 変ホ長調 K.113

    1771年11月 ミラノ [A] クラリネットが使われた最初の管弦楽作品

 2. ディヴェルティメント 第2番 ニ長調 K.131

    1772年6月 ザルツブルク [A] 作曲の動機や目的は不明

 3. ディヴェルティメント ニ長調 K.136 (125a)

    1772年1?3月 ザルツブルク [A] 旧全集では弦楽四重奏曲第24番

 4. ディヴェルティメント 変ロ長調 K.137 (125b)

    1772年1?3月 ザルツブルク [A] 旧全集では弦楽四重奏曲第25番

 5. ディヴェルティメント ヘ長調 K.138 (125c)

    1772年1?3月 ザルツブルク [A] 旧全集では弦楽四重奏曲第26番

 6. ディヴェルティメント 第3番 変ホ長調 K.166 (159d)

    1773年3月24日 ザルツブルク [B]

 7. ディヴェルティメント 第4番 変ロ長調 K.186 (159b)

    1773年3月 ミラノ [B] 作曲の目的は不明。

 8. ディヴェルティメント 第5番 変ロ長調 K.187 (Anh.C17.12)

  モーツァルト本人の作品ではない。

 9. ディヴェルティメント 第6番 ハ長調 K.188      1773年夏 ザルツブルク [B]

10. ディヴェルティメント 第7番 ニ長調 K.205 (167A)    1773年7月 ザルツブルク [C] 

11. ディヴェルティメント 第8番 ヘ長調 K.213      1775年7月 ザルツブルク [B]

12. ディヴェルティメント 第9番 変ロ長調 K.240

    1776年1月 ザルツブルク [B] 大司教のための食卓音楽

13. ディヴェルティメント 第10番 ヘ長調 「ロドロン・セレナード第1」     K.247

14. ディヴェルティメント 第11番 ニ長調 K.251     1776年7月 ザルツブルク [C] 

15. ディヴェルティメント 第12番 変ホ長調 K.252 (240a)

    1776年1?8月 ザルツブルク [B] 舞曲風4楽章。大司教の食卓音楽。

16. ディヴェルティメント 第13番 ヘ長調 K.253

    1776年8月 ザルツブルク [B] ディヴェルティメントの中で唯一の3楽章作品。 

17. ディヴェルティメント 第14番 変ロ長調 K.270

    1777年1月 ザルツブルク [B] 大司教の食卓音楽として

18. ディヴェルティメント 第15番 変ロ長調 「ロドロン・セレナード第2」 

    K.287 (271H)    1777年6月? ザルツブルク [C] 

19. ディヴェルティメント ヘ長調 未完 K.288 (246c)    76年6月 ザルツブルク [A]

20. ディヴェルティメント 第17番 ニ長調 「ロビニッヒ」 K.334 (320b)

    1779年?80年 ザルツブルク [C] モーツァルトのディヴェルティメントの中で最も有名な作品。 第3楽章のメヌエットはよく単独で演奏されるほどポピュラー。

このページには他にも12曲の断片が収録されているが、とりあえず省略する。

ということで、ディベルティメント…番とよんでも良いのだが、K136~138が抜けてしまうのが以下のも癪なので、ケッヘルで呼ぶのが一番いいのでしょう。
ということで、管楽合奏を除いたラインアップは以下の通り。
divertiment
弦楽合奏を主体とするものはK131の第2番が最初。You Tubeではセルの凛とした演奏と、マリナーのしっとりとした演奏が聞ける

K136~K138の三曲は元の「旧分類」では弦楽四重奏曲に分類されていたため、ディヴェルティメントとしての番号がついていないのだそうだ。
You Tubeではニューヨーク・クラシカル・プレーヤーズというグループの颯爽とした演奏が聞ける。
K136はモーツァルトの曲の中でももっともポピュラーなものの一つだ。
小沢と水戸室内管弦楽団の演奏が抜群だ。水戸は指揮者なしの演奏もアップされているが、聴き比べるといかに指揮者が必要かがわかる。
K247、K251、K287、K334 の4曲は立派な管弦楽曲で、4楽章にまとめればそのまま交響曲となるほどである。You Tubeではカラヤンの名演奏が聞ける。胃もたれするという向きの方にはマリナーの演奏がスッキリするかもしれない。
K563 は異質のディヴェルティメントだ。昔からグリュミオー・トリオが定番だが、Veronika Eberle, Sol Gabettaらの演奏が素晴らしい音質で迫る。
veronikasol
  Veronika Eberle
       Sol Gabetta