鈴木頌の発言 国際政治・歴史・思想・医療・音楽

AALA関連記事は「aala_newsの編集日記」http://blog.livedoor.jp/aala_news/ に移りました(6Nov.2023) 中身が雑多なので、右側の「カテゴリー」から入ることをお勧めします。 「ラテンアメリカの政治」(http://www10.plala.or.jp/shosuzki/ )がH.Pで、「評論」が倉庫です。「なんでも年表」に過去の全年表の一覧を載せました。

朝日新聞11月19日付記事は、貴重な情報だが読み込みが必要だと思う。

要旨を紹介しておくと、

1.9月26日深夜 帝国ホテルで前原=小池の秘密会談が行われた。同席者は神津連合会長、ジャーナリストの上杉隆であった。

2.憲法改正と安保は小池の方針で合意する。

3.「三権の長」経験者を排除する。

出席者が4人であるとすれば、記事は小池氏のエージェントである上杉氏のリークによるものであろう。相当バイアスがかかっているので、どこまでが事実化を同定するのはむずかしいが

まず、経過のつきあわせから。

下記は2017年10月02日 に掲載したものである。

25日 「希望の党」の結党。小池知事がみずから代表に就任。

26日夜 前原・小池会談

27日午後 日テレ系が「合流」の報道を開始。

27日 連合の神津会長が記者会見。希望の党一本化を歓迎。

28日両院議員総会への常任幹事会の提案。

1.今回の総選挙における民進党の後任内定は取り消す。

2.民進党の立候補予定者は「希望の党」に公認を申請する。

3.民進党は「希望の党」を全力で支援する。

討論の中で、「合流ではない。それぞれの候補者に公認を与えるかどうかは、希望の党側が判断する」(NHK)ということで、合流ではなく解党が正しい。

28日の前原代表の記者会見。

 1.どうすれば小選挙区の一対一の構図に持ち込めるか。これが第一の選択肢だ。

 2.4党での協力ということも選択肢だが、政策理念、方向性で一致しない。

 3.解党ではなく、アウフヘーベンだ。

 質疑応答の中で、「私は民進党代表をやめるつもりはない。党籍を残したまま、『希望の党』の公認候補になることは法律上問題はない」と発言。

29日 小池が記者会見。リベラル派を「排除する」と明言する。枝野派30人強が対象とみられる。さらに維新と提携する大阪では候補を出さないとする。

30日 民進党の全国幹事会。地方組織や連合が「話が違う」と不満を爆発させる。北海道連は民進党公認の道を開くよう求めたが拒否される。

30日 希望の党若狭議員、50人以上の1次公認者を選定したと語る。多くが自派メンバーで、民進党現職とぶつかることになる。

30日 赤松広隆議員、「新しい政党も選択肢の一つ」と語る。

30日 連合の神津里季生会長が党本部で前原と会談。「排除はおかしい。要望が受け入れられなければ希望の党の候補に推薦は出さない」と語る。

9月30日 前原・小池会談。前原が希望者全員を受け入れるよう求めたが、小池氏は安全保障政策などの一致が必要だと譲らなかった。

10月1日朝 枝野と前原が電話会談。枝野は「あの時の話と違うではないか。自分は希望の党には行かない等の声も上がってきている」と追及。(時事ドットコム)

10月1日午前 枝野代行が記者会見。希望の党に合流しない民進党前衆院議員らを集めて、新党を結成する考えを明らかにする。新党を作るには国会議員5人以上が必要で、参院議員5人の賛同を狙う。

10月1日午後 民進党の玄葉選挙本部長代行と希望の党の若狭が候補者調整を行う。玄葉は100人の民進党出身者の公認を要請。

10月1日夕 枝野と前原が党本部で会談。希望の党の若狭勝前衆院議員と玄葉光一郎総合選対本部長代行も同席。枝野は希望の党に参加できるメンバーのリストを明示するよう要求。玄葉代行は「立候補予定者のうち60人ほどが公認を得られない」と説明。

10月1日 民進党北海道連、逢坂氏を含む道内候補全員について「希望」に公認を求めない方針を確認。

10月2日午前 枝野氏、連合本部で神津里季生会長と会談。「現状を説明し、私の考えている方向性を話した」と語る。公認漏れの救済を前面に振りかざすと、連合も断りにくいと見たのだろう。


26日の会談は秘密でもなんでもない。10月2日の時点でしっかり記録されている。神津会長が同席していたことも別に秘密ではなかったかもしれない。

合意内容もほぼ予想通りだが、2点ほどだいじなことがある。大量虐殺の話はなかったこと、誓約書の話はなかったことだ。

いずれも微妙なところだ。どちらかと言えば小池側に瑕疵があるようだが、「本当のことは言わなかったが、嘘はついていない」というレベルの話だ。

上杉氏の言葉を信じるとすれば、上杉氏の「排除対象は「三権の長」経験者」ということで合意した。少なくとも小池氏以外は合意したと信じた。もしこれに小池氏が異を唱えなかったとしたら、小池氏の誠意が疑われる。

しかし、そのような雰囲気にまでに詰まっていたのかどうかは分からない。小池氏は前日も「排除する」発言を行っているし、10月1日には誓約書を一斉配布している。

「だから小池氏は合意していなかった、合意したというのは民進側の勝手読みだった」と見るほうが自然なのかもしれない。


こうなると、だいぶ話は見えてくる。

小池氏は民進党との合併を迫られた。これは連合の背後にいる勢力を考えれば問答無用だ。

しかし小池氏には個人的な関係にとどまるにせよ、連合・経団連とはことなる独自の人脈やルートが有るはずだ。

「そうなんでも連合の言うことばかり聞いてもいられないよ」ということになれば、それだけのフリーハンドは与えられている。

そこで、ちょっとばかし突っ張ってみたら、あれよあれよという間に楼閣が崩れてしまった。

これで小池の側は説明できた。

では前原はどうして引き返さなかったのだろうか。結局、引き返せなかった、もう時間がなかったというのが真相であろう。インパールの牟田口司令官みたいなものだ。面の皮の厚さも似たようなものだ。


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