「憲法と人権」という本の一節。

デモクラシーを主張する人の中に、リベラリズムをデモクラシーに収斂させてしまう傾向があったのではないか。

国民が政治における自らの運命の決定者となることがデモクラシーの真髄であるが、それは国民が人間個人として自らの運命の決定者であることを抜きに語ることは出来ない。

これを敷衍すると、
つまりデモクラシーはリベラリズムを前提にして語らなければ、真のデモクラシーとはなりえない。民主主義者は民主主義者である前にまず自由主義者でなければならない。
ということになる。

これを憲法の条文にひきつけてみると、
憲法第13条冒頭 「全て国民は、個人として尊重されなければならない
ということが出発点となる、のだそうだ。
なお原案では、「その人類たることに依り」(by virtue of their humanity)という一節が付けられていた。

そこでは抽象的な政治主体としての「国民」ではなく、個性を持つ諸個人の集合としての「国民」が主権者となるデモクラシーがうたわれている。