いまびっくりしている最中です。
チョ・ソンジン(seong-Jin Cho 趙成珍)というピアニスト。あまりにも素晴らしくて、あっけにとられています。
もともと韓国のピアニストは好きで、独特のグルーブ感はとても日本人の及ぶところではないと思っていましたが、ついにここまで来たかという感じです。
2015年のショパン・コンクールで優勝、ポロネーズ賞も併せて受賞したそうです。
というより、もはや世界のトップランナーとして完成しています。
私はツィマーマンが好きで、いわゆる「世界最高」だと思っていますが、彼がのして来たのはショパンコンクールを受賞してから数年後のことです。
逆にポリーニは受賞のときが一番で、その後は玄人筋の評判は良かったものの、私にとってはピンとこない存在でした。
ダン・タイ・ソンはコンクールで燃え尽きてしまったようです。ユンディ・リーはただの雑技団です。
しかしチョ・ソンジンはそういうレベルをはるかに超えています。ピアノ界の大谷です。
技巧も素晴らしいし、音色も最高ですが、それ以上にずば抜けた芸術的センスに惚れ惚れしてしまいます。
それは英雄ポロネーズとかスケルツォの2番のようなとりとめない「駄作」から物語を紡ぎ出す、センスの絶妙さに現れています。
You Tubeで探すと韓国には芸術的センスに溢れた人たちが山ほどいます。訴えてやまない国民性が芸術に向いているんでしょうね。
「嫌韓」の方にぜひ一度見てもらいたいと思います。きっと考えが変わるでしょう。
ピアノ協奏曲第1番
ピアノソナタ第2番
チョ・ソンジンは第一次予選にノクターンの作品48の1を選びました。この曲はルビンステイン風にエレジーっぽく弾くか、ポリーニみたいに行進曲風に行くかでずいぶん印象が違ってきます。
最初からずいぶん難しい曲を選んだもので、その冒険が必ずしも成功しているとは思えません、


You Tubeにはショパンコンクールで優勝したあとのベルギーでのコンサートもアップされています。正直に言えば弛緩しきっています。このままではダメでしょう。