鈴木頌の発言 国際政治・歴史・思想・医療・音楽

中身が雑多なので、右側の「カテゴリー」から入ることをお勧めします。 http://www10.plala.or.jp/shosuzki/ 「ラテンアメリカの政治」がH.Pで、「評論」が倉庫です。「なんでも年表」に過去の全年表の一覧を載せました。

Ⅰ. リーマン・ショックとは何だったのか

A) リーマン・ブラザーズの破綻

2001年 同時多発テロを受けて、世界的な株価の下落。FRBは4回にわたる緊急利下げを実行。これにより世界的な金余り現象発生。

2004年初め アメリカの住宅価格は新興国外資の流入を背景に124%上昇。消費者の貯蓄率は減少し、借り入れと消費は共に増大する。

ウォーレン・バフェットの証言、「あれは私が生涯見てきた中で最大のバブルだった。…アメリカ市民全体が、住宅価格が劇的に下がることは有り得ないという信仰に囚われていた」

6月 FRB、政策金利を4年ぶりに引き上げ、1.25%とする。金融が引き締め局面に入ったことで、住宅価格の上昇には歯止めがかかる。

2006年

この年、ウォール街の経営幹部が家に持ち帰ったボーナスは239億ドルに達した(ニューヨーク州会計監査官事務所)

7月 住宅価格が急速に値崩れを起こす。サブプライムローンの金利が引き上げられ、延滞率が13パーセントに達する。クレジット会社は貸し倒れと延滞により経営破綻。クレジット会社に貸し込んでいた大手銀行も貸し倒れ引当金が膨らむ。 

サブプライムローン: 住宅ローンの一種。一種の債権であるが、債権をあたかも資本と思い込ませ転売していた。
元々の意味は優良(プライム)貸付に対する“チョイやば”あるいは“ワケあり”貸し付けという意味。しかしその基準は“チョイやば”どころではない。①所得に対する借り入れが50パーセント以上、②過去1年間に30日間の延滞が2回以上、③過去5年以内に破産経験というもので、「ナニワ金融道」でさえ怖気をふるう“激やば”である。
そもそも大銀行が扱うような“債権”ではないのだが、住宅価格の上昇を背景に、格付け企業が高い評価を与えたことから、他の金融商品などと組み合わされ世界中に販売されるようになった。

2007年

2月 HSBCホールディングス(世界最大の銀行)が、所有していたサブプライム関連証券の評価額を105億ドル切り下げ。住宅金融専門会社への新規融資は事実上ストップ。

4月 サブプライムローン業界2位のニュー・センチュリー・ファイナンシャルが破綻。これに端を発し、サブプライム危機が発生。

サブプライムローンの延滞率

04年第4Q

05年第4Q

06年第4Q

07年第1Q

08年第2Q

9.83%

11.61%

14.44%

15.75%

18.67%

6月 大手証券ベアスターンズ傘下のヘッジファンドが、サブプライムローン関連証券の運用に失敗し倒産。多額の融資を行っていた大手金融機関に影響が波及する。

7月 格付け機関が住宅ローン担保証券を一気に格下げ。証券化商品そのものへの不信が広がる。これにより金融機関は資産価値が大幅に下落。株価下落を前提に新株発行。

7月 サブプライム関連証券、買い手不在のため値付け不能に陥る。

8月 フランス最大手の銀行BNPパリバが傘下の3ファンドを凍結。ドイツ中堅銀行のIKB産業銀行がサブプライム関連損失により破綻。サブプライム・ローンが、欧州をふくめた国際金融市場全体に広がっていることが明らかとなった。政府は流動性確保のため資金供給。

10月 投資銀行大手のメリルリンチで、CEOが経営悪化の責任を取り辞任。

10.09 NYダウが史上最高の14,164.53ドルに達する。

2008年

5月 ベアスターズが経営危機に陥り、JPモルガンが救済合併する。

5月 サブプライムローンの延滞率が25%に達する。

9.07 半公的な住宅購入支援機関(GSE)のファニーメイとフレディマック、担保証券の評価が急落。納税者負担によって国有化される。

両者のサブムライム証券の年間購入額は1,750億ドル、この時点での債務残高は5兆ドル。これに対し純資産は僅か1,140億ドルだった。

9月15日 投資銀行大手のリーマン・ブラザーズが破綻。連邦破産法第11章の適用を連邦裁判所に申請する。負債総額、約6000億ドルは史上最大であった。

5大投資銀行の負債の合計は4兆ドルに達した。そのうち、ベアー・スターンズとメリルリンチは他の銀行に捨値で売られた。残る2つ(モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックス)は政府による資本注入をうけ、商業銀行に転換した。

9.16 アメリカ政府とFRBが全米最大の保険会社AIGに850億ドルの融資を決定。事実上の国有化。

9.17 2日間で米国のMMFから1,690億ドルが引き出される。普段は50億ドル程度。

9月 連鎖倒産の恐れなどからアメリカ経済に対する不安が広がり、世界的な金融危機へと連鎖する。

リーマン・ショックの前後に、アメリカ人は純資産の1/4超を失った。米国の平均株価は45%下落した。住宅価格は20%下落し、先物市場は35%低下した。
家計資産である退職金基金の合計は、22%目減りした。貯蓄と投資資産は1.2兆ドル、年金基金は1.3兆ドルを失った。損失合計は8兆3千億ドルということになる。(Wikipedia)

2008年10月以降はこちらへ


時系列で並べてみると、リーマン・ショックそのものはたんなる不動産バブルの一つに過ぎなかったことが分かる。

ただその規模があまりに大きかったことと、アメリカという一極への、富の過度の集中が、世界恐慌をもたらしたということに特徴がある。

このあと、欧米諸国を中心とする金融危機が展開され、さらにその後始末としてのソブリン危機が続いていく。そして現在始まっているのは、その第4幕としての右翼の台頭と政治対立の先鋭化なのかもしれない。


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