1.北朝鮮問題は外交問題である

国内でいかに独裁政権がひどいことをやっていたとしても、それは国内問題だ。

例えばタイで軍が合法政権を倒して、法にもとる独裁政治を強行しても(それは非難に値するが)外交的対抗手段はおのずから異なってくる。

数千万の人が暮らす国としての国家主権は、それはそれとして尊重されなければならない。
ホーチミンの言葉「独立ほど尊いものはない」は外交の原理を究極的に示している。

2.北朝鮮問題は国際問題である

北朝鮮が要求しているのは米朝関係の改善であり、自国の安全保障である。

したがって、それはまずもって米朝両国の話し合うべき問題である。

しかし核兵器の開発は明らかに国際的な問題であり、これを阻止することは国際社会の問題である。

現に国際社会はその方向で動いているのだから、これと協調して行動しなければならない。

ミサイル問題は核問題と同列に語ることはできない。もちろんそれが核と結びついている状況のもとでは等閑視はできない。しかし核を除けばミサイルの開発について国際法上で禁止されているわけではない。日本だってロケットはバンバン上げている。形態から言えば、人工衛星を載せるか核弾頭を載せるかの違いだけだ。

むしろ事前通告や無害性の立証が絶対に必要であろう。

3.解決の糸口が示されなければならない

日米安保条約は二面性を持っている。一つは日米軍事同盟であり、米国が軍事行動に出れば自動的に参戦させられることになる。

もう一つは日本の安全を保障するメカニズムも内包していることである。憲法上は(あくまで憲法上であるが)非武装である。独立を承認されたサンフランシスコ条約で、日本の安全は世界の諸国(連合国)の共同に委ねられている。

その具体的内容として安保条約が置かれている形となっている。

したがって、矛盾するようだが、日本の安全を真に保障するためには、安保条約を発動させないために努力することこそがだいじだ。

これは安保条約に賛成でも反対でもコンセンサスとなるだろう。

緊張緩和のために緊急になすべきことは明確である。米朝対話の開始である。そのためには核問題で北朝鮮の何らかの言質が必要である。

仲介者はいくらでもいるだろう。日本がそこまですべきとは思わないが、少なくともその邪魔をしないことはできる。

戦争ヒステリーはあっという間に広がる。70年前我々の父母はそれを痛感した。

まずは冷静に事態を見つめるべきだろう。「平和が一番、戦争だけは絶対にダメ、とにかくまず話し合いを」という一点で世論をつくりあげなければならない。

4.東アジア4カ国の平和共存が最終目標

北朝鮮問題への対処は、いっときの問題ではない。東アジア問題全体がそうだ。

まだ終戦処理が完了していない。それはとくに我々の内心の問題である。

日本では、朝鮮を植民地とし、中国に侵略を行ったことへの反省がいまだ十分とはいえない。

在日を蔑視し、北朝鮮への度を越えた敵視がむしろ増強する傾向すらある。これは大国意識がもたらしているものだろう。

まず4カ国が対等のパートナーシップを結ぶこと、相互の国家主権を尊重すること。他国の人々が間違っていれば批判することは大いにけっこうだが、相手の批判にも耳を傾ける謙虚さが必要だ。

そのうえで朝鮮半島の平和的統一も展望し、ロシアにも協調を求める。そして領土的野心を放棄することを相互に宣言する。

他にも言いたいことはあるが、とりあえずこの4点を訴えたい。