たしかに政局は作り出すものだ。これに関しては彼女は練達の士だ。
しかし、もう一回り大きい政治情勢というものがある。
政治的にはまず安倍政権の民主主義の軽視に根深い国民の不信感がある。
そして北朝鮮のアラートに際して国民は漠然とした危機感を抱いている。それは必ずしも安倍政権の安保政策支持に向かっては居ない。むしろ好戦的な姿勢に不安をいだいている。
それらは市民連合や野党連合への支持の結集として現れている。それはまだ国民的期待の高まりというほどには至っていないが、一気に吹き出す可能性を秘めた「深部の力」となっている。
たしかにアベノミクスのもとで、景気はマクロでは回復している。しかしその恩恵は地方にはおよばず、多くの国民は景気回復を実感していない。日銀主導の刺激策はリフレが実現しなければ破綻する。経済界も出口がないことにいらだちを感じている。
総じて国民は自民党の安倍政権が長過ぎることにあき、内部の腐敗に憤っている。
これが情勢であろう。
小池氏は、こういう情勢の最後のポイントだけに的を絞って政局を動かそうとした。東京ではそれがうまく行った。
しかし国政でそれがうまくいくはずはないので、それを見誤った。黙っておとなしくしていれば勝利が転がり込んできた可能性はあるが、反リベラルを前面に押し出したことで一気に奈落の底へと突き落とされる羽目になった。
ついでだが、
私は、地方に住んでいる身として、地方の軽視が東京を中心にかなり広がっていて、これは庶民の暮らし軽視の典型的な現れだと思っている。
おそらく東京の人と地方の人の生活実感は相当かけ離れてきているのではないか、と実感する。今回の「枝野の乱」は東京に対する地方の反乱と見ると、かなり背景が見えてくるのではないかと思う。