1.連合の大成功
異常事態中の異常事態が進行している。
連合(経団連)としては、前原新体制のもとで「野党共闘」が着々と進行していることに危機感を抱いた。
このまま行けば民進党が党ごと野党共闘に飲み込まれてしまう。
ということで、神津会長が中に入って、前原に合流案を飲ませ「民進党」の看板をひきずり下ろそうとした。
理由はどうも民進党の金庫の中の政党助成金のようだ。経団連にしてみればはした金だろうが、野党共闘にとってはまことにありがたい資金だ。これを使わせないようにしようというかなりせこい思惑もあったようだ。
パトロンの連合会長が言うことなら、と前原は折れた。(謀略のにおいもプンプンする)
これで野党共闘の封じ込めは成功。あとはメディアで大キャンペーンを張って、仮想二大政党制の枠に世論を流し込めば良い、と連合・経団連はほくそ笑んだに違いない。
2.と思いきや…
ところが、突如小池氏がはしゃぎ始めた。それどころか暴走を始めた。
これが29日の記者会見。一つはリベラル派を排除するという宣言。もう一つは大阪維新との提携のために大阪で候補を擁立しないという宣言だ。
弱小とは言え、大阪で民進党は十数人の候補を擁立していた。これが全部闘わずして撤退ということになった。
「これは話が違う」と地方が反乱を起こした。それが30日の民進党全国幹事会だ。
北海道連は、希望の党の公認が取れないなら民進党として公認すべきだと主張したが拒否された。頭にきた同連は道内候補全員について希望に公認を求めない方針を確認した。
民進党が割れて一番困るのは連合だ。民進党の半分持っていかれれば、今後の力関係に大きな影響が出る。
どうせ「希望の党」なんてのはいっときのブームで、使い捨てのカモフラージュだ。
しかし地方の(一定の)党・連合組織が野党共闘に移行することは、それとの交換条件としてはあまりにも犠牲が大きすぎる。
「共産党とのあいだに画した一線」が大きく後退することを意味する。
30日に連合の神津里季生会長が党本部まで出かけ、前原と会談したが、相手が違うでしょう。もはや前原には何の当事者能力もない。
案の定、小池のもとに参内した前原を、小池はけんもほろろに追い返した。
3.新党への動き 情勢は一気に三つ巴に
10月1日になって枝野が動き始めた。朝には前原と電話会談、午前中の記者会見では新党結成もちらつかせた。
そして夕方になって党本部に入り、前原と会談した。前原が何をどう語ったかは不明だが、ちょうど候補者リストをすり合わせしていた若狭と玄葉に事情を聞いた。そしてもはや選択肢はないと決断した。
そして本日午前、連合本部で神津里季生会長と会談。「現状を説明し、私の考えている方向性を話した」
というのが数時間前までの経過。
「やられた」と思った野党共闘が、どうやら思わぬ形で復活しそうな形勢になってきた。ただし参議院議員5人以上の壁はけっこう厚い。多分枝野は目下そこに集中しているだろう。
最大の功労者は小池さんだ。ありがとう、小池さん。もっとゴリゴリやってください。そして、御身大切に。