大脳の原基としての嗅脳を調べるということで、これまでやってきた。

結局、いまだによくわからないことが多い。情報は少ない。文献をいろいろ探してもほとんど触れられていない。

1.ニオイは記憶装置とセットで認知される

ただ五十嵐さんの研究により、嗅内皮質という領域が一次中枢であることがわかった。別の文献では外側嗅内野と表現しているが、まぁ細かい話はどうでもいい。

嗅覚も視覚や聴覚と同じく視床で統合され、さらに前頭葉で総合的な評価を受けることになるが、これは別の話だ。

そして嗅内皮質は情報を海馬に貯められた過去の経験と突き合わせ、評価する。

したがってニオイの知覚というのは、そのまんまではなく「陳述的な情報」として発信されていることになる。

これは他の感覚が生データとして視床に入ってくるのとは様相を異にする。

2.ニオイは暗証番号で受容される

ニオイの受容の機序は、比較的最近になってから解明された。驚くべきことにニオイ受容体は数十種類があり、これらの組み合わせとして認識されている。

つまりいわば「4ケタの暗証番号」として情報が形成される。(すみません。まだ完全には理解していません)

嗅神経を通って嗅内皮質に送られてくるのは、この「4ケタの暗証番号」である。この暗証番号を海馬にある過去データと照合するわけだ。

3.嗅覚は後付け・外付け機能だ

サカナにも嗅覚があるといわれる(聴覚もしかりだ)。

しかしこれは嗅覚ではない。気体中の微小物質を嗅ぎ取る能力は、動物が陸上に出てから獲得したものだ。

とりわけ夜間行動を強いられた初期の哺乳類が、進化の過程で発達させたものである。

だから既存の前脳・中脳・後脳の3脳構造の中にはないものだ。

居場所がないから前脳の上に居場所を作った。前脳(視床・視床下部複合体)は「判断・評価の過程は任すから、とにかく結果だけ教えてくれ。手足はこちらで動かす」ということになる。

4.この方式は聴覚にも応用された

嗅脳の外付け方式は、聴覚にも応用されたはずだ。もともと聴神経は第8脳神経として後脳にターミナルを持っている。

その起源は魚類の側線の中枢だろう。しかし側線がほかの皮膚感覚より敏感だとしても、しょせんは振動覚だ。しかも感じ取るのは水圧の変化だ。

空中での音圧はレベルが違うと思う。だから専門の器官(とりあえずは平衡器官への相乗り)でFレンジとDレンジの拡大を図ったのではないだろうか。(耳骨の構造と鼓膜、アブミ骨の面積比で音圧が約22倍に増幅される http://bunseiri.michikusa.jp/cyokaku.htmより)

とくに耳小骨の形成により可聴音域が広がり、音が言語=信号として用いられるようになると、情報量も増えるので、後脳のキャパでは到底追いつかない。

そこで側頭葉~角回へと別館作り、外付け情報センターづくりが進んでいったのではないか。

そのさい、旧脳に間借りしたのか、別途建設したのかは分からない。

ということで、聴覚についての勉強に移行することになりそうだ。