本日の赤旗2面
ちょと目立たないところに、志位さんの記者会見が紹介されている。
表現は考えられる限りもっとも穏やかなものとなっている。
憲法問題についてはぎりぎり、
「“立憲主義を壊す安倍政権には、そもそも憲法を変える資格がない”という点で野党は結束してきましたが、これからもこの一致点で結束していけると思います」ということで一致点を見出そうとしている。
消費税問題はさすがに同意はできないが、「税制についての考え方は違っても、当面の対応として前向きの合意が得られるようよく話し合っていきたい」と抑えた。
すでに4日の段階で小池書記局長の「共闘推進呼びかけ」が発せられており、トリプル補選を「国政私物化、情報隠蔽のモラルハザード、憲法を踏み破る安倍暴走政治」に対する国民の審判と位置づけた。今回の志位談話はそのための「政策的足かせ」を除くためのものであろう。
おそらく民進党の対応についての関係者議論は、水面下で進行しているに違いない。
その際の暗黙の前提としては、たとえば前項記事の山崎さんの7項目提案が下敷きになるだろう。(ただし第6項はみごとにずっこけたが、第7項はかろうじて維持されている)
念のため該当部を再掲しておく。

(1)安倍首相への批判に争点を絞る
(2)憲法と対共産党の議論は棚上げ
(3)選挙協力は実を取る
(4)「再分配政策」重視を打ち出す
(5)金融緩和継続と消費税率引き上げ延期を確約
(6)フレッシュな顔を前面に出す
(7)仲間割れしない!

これでお互い、とりあえずのトリプル補選での政策的ハードルは乗り越えられる。
あとは「新執行部の方々と、つかさ、つかさでよく話し合っていけば、協力していけるのではないかと期待しています」ということになる。
これは前項記事の松野頼久議員の発言を念頭に置いたものだろう。
いずれにしても、「共産党を除く…」風土の復活を阻止するためには、まさに「耐え難きを耐え、忍びがたきを忍ぶ」方針だ。
例えば枝野が当選して右派議員が軒並み脱走し、連合が絶縁してもぬけの殻になった民進党が来ても、それだけでは日本を動かすことはできない、と見切った上での判断だ。
ただしこれは市民連合のプッシュがあってこその議論になる。野党共闘というのは野党の共闘ではなく、野党と市民との共闘なのだ。市民連合が「耐えてくれ」といえば耐えるしかない。ポジティブにも、ネガティブにも、そこに、今この瞬間の日本の政治状況がさしかかっている。
トリプル補選の行方がとんでもない重みを持つことになりそうだ。