昨日は天気が良いので、ちょっと遠出してみた。
ある町のある喫茶店に入った。シャッター通りの商店街の一角、「英国屋」という。かなり傷んでいるが、かつてはブイブイいわせたであろう店だ。なにせ二階席まである。
おばさんが一人でやっているが、よく見るともはやおばさんではない。薄暗い店内で厚化粧だが、10分もして目が慣れてくると、私といいとこドッコイだ。
カウンター席の片隅に座るが、目の前に灰皿。喫茶店というのはこうでなくちゃいけない。
かれこれ小一時間も座っていたろうか、その間に来るはくるは、おばあちゃんの団体だ。
あとで指折り数えてみると、17,8人は来ている。ちょっとおめかしして、むかしの気分だ。
ここは完全におばあちゃんの社交場だ。
だんだん騒々しくなって、鶏小屋のようになってきたので退散した。
人通りの絶えた商店街、どこからこれらの人々は湧いてくるのであろうか。バスに乗ってやってくるのであろうか、人恋しくて。
しかしこの滓のような残り火もあと数年であろう。
アーケード通りを歩いてみた。かどかどには拓銀や道銀の支店だった建物がそびえている.そして3~4階建ての立派な商家が軒を連ねている。もちろんほとんどが空き家だ。
函館の十字街はもうまったくの住宅街だ。小樽の駅前通りは崩れ落ちた商家が残骸を晒している。
江戸時代の宿場は街並み保存されているが、こういう建物は保存してもらえないのだろうか。
それより、地方の町並み、文化をここまで零落させた中央政治の冷酷さに胸が痛む。
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