以前から気になっているのだが、Y染色体ハプロの内訳を調べるのに、基礎となるサンプル数があまりにも少ないことが気になっている。

しかも古い。

2005年前後の数年間に調査が行われたきり、その後大規模なデータ集積が行われていない。要するに崎田さんが先駆的にとりあげ分析した時点から、我々は一歩も前進していない。

あたかも「魏志倭人伝」のように同じデータをいろいろいじっているに過ぎない。

赤旗に時々載る遺伝子がらみの記事を見ていると、どうもミトコンドリアDNAの人も頑張っているし、全ゲノム解析の人が「これからは私達に任せて」みたいなでしゃばり方をしている。

しかしこれだけクリアカットに人種の歴史的動きが辿れる指標は他にないのである。全ゲノムはそれはそれとしてやっていけば良いのだが、現段階ではただ情報にホワイトノイズを追加しているに過ぎない。

なんとか文科省でもう少しこの研究に力を入れてもらえないのだろうか。

と、思っていたところ、やはり世間にはそう考える人がいて、データベースづくりをコツコツとやってくれている。

それが“ちべたん さんの「日本とはなんぞや?」というブログだ。

題名だけ聞くとちょっと引いてしまうが、別に「日本会議」の御用達ではない、普通に真面目なサイトである。

この参考文献のところを見てみると、最初の報告からほぼ10年、まったく研究が止まっていることが分かる。

Tajimaらの2004年の論文。

Senguptaらの2006年の論文。対象日本人は23人。

Nonakaらの2007年の論文。対象日本人は263人。

などのきわめて少数例を対象としたプレリミナリな報告に過ぎず、これで日本人の祖先を云々するのは流石にちょっとおこがましい。

ところが2014年に桁外れの多数例を対象にした調査が行われているらしいのだ。

我々は今後はこのデータ(のみ)を対象にして物を言わなかればならないだろう。

いま、このSatoの2014年調査のデータを探しているのだが、英語の報告は探せるのだが、日本語の原著が見つからない。ちべたん さんはきっとそれを読んでいるのだろうが、ブログではリンク先を明らかにしていない。

…と言いつつ日本語の原著を探したが、みごとにない。

仕方がない、英語の原著を読むことにするか。