You Tubeには時々とんでもない掘り出し物がある。

リヒテルの1959年の録音で、ラフマニノフの前奏曲作品23の2番というのがそれだ。

まさに「奇跡の演奏」だ。野球で言うと大谷の165キロだ。

ほかに4番も5番もない。

リヒテル年表で調べてみると、リヒテルはこの年に東欧を旅している。

まず4月にワルシャワに行き、5日間連続で演奏会を開いている。録音をしに行ったのかもしれない。ヴィスロッキ指揮ワルシャワ・フィルとモーツァルトの20番、ラフマニノフの2番を入れている。

我々にとっておなじみのラフマニノフがこの時録音されたのかもしれない。

その他にラフマニノフの前奏曲23の2,4,5と32の1,2も入れているようで、この時の録音かもしれない。

6月末に一度ソ連に戻ったあと、10月には東ドイツで2週間、その後11月にはプラハで3日間仕事をしている。この時スメタナホールでラフマニノフの前奏曲を13曲も演奏しているから、こちらかもしれない。

正直言って、新世界=メロディア盤のピアノ協奏曲(ワルシャワ)の録音はひどかった。スプートニクを飛ばした国の録音とは思えない。

こちらの音源はかなりしっかりした音で入っているから、チェコ(スプラフォン)の録音かもしれない。

探してみたが今はもうないようだ。

その代わりに、すごいお宝映像がアップされている

Sviatoslav Richter - Rachmaninoff Prelude op 23 N 2

リヒテルにまだ髪の毛があった時代だ。風前の灯ではあるが。

こいつもすごい映像だ。

ギレリスが空軍の飛行場で、出動前の飛行士たちを前に前奏曲23_5を演奏している。これぞまさしく「戦場のピアニスト」だ。ギレリスは相当必死に「音楽」の意味を考えたであろう。

Gilels - Prelude Op 23 No 5 - Rachmaninoff

「たしかに音的にはあり得るな」、と変に納得してしまう。