2016年12月20日 を作成。2017年02月03日 に1回増補している。

今回、2回めの増補を行うことにする。

柴正博「はじめての古生物学」(東海大学出版部 2016)とポール・デーヴィス「生命の起源」(明石書店)、ピーター・ウィード他「生物はなぜ誕生したのか」(河出書房新社 2016)を読んだことが理由である。ただし3冊目はまだ読みかけで、読み終わればさらに追補が必要となるかもしれない。

それにしても、この1,2年でずいぶん本が出ているということで、おそらくかなり急速に知見が集まりつつあるのではないか。そのために一種の星雲状況となっているようだ。

前回も書いたのだが、「アミノ酸から始まって生命に至る過程と、LUCAのあいだになお深い断絶がある」

この断絶感は新知見が集まるほど逆に強まってくる。

話の焦点は核酸の形成とRNAからDNAへの情報機能の積み上げにある。しかし、これについて触れた文献はほぼゼロだ。

いろいろな書物からつまみ食いしたせいで、相互に矛盾する記載もあり、何が何やらわからなくなっている。いずれ何かの本で一本化した上で、矛盾するものについては「異説」として掲載する方向で考えている。

ただ所詮、絶対年代の時間軸を作成すること自体が不可能なので、やはり字句で書き連ねるしかないのかもしれない。

ポール・デーヴィスは「生命の起源」の中で生物の本質機能を次の6点にまとめている。

1.代謝機能 ATPを頂点とする合成と消費の三角形

2.「複雑さ」の組織 そう難しく言わんくても生体構造の構築くらいでも良いんじゃないか

3.複製 普通に言えば生殖機能でしょう

4.発達 個体レベルでの進化

5.進化 種のレベルでの進化

6.自律 「自己」の保持ということでしょうか

そして生命とはこれらの機能を付与された「特殊な化学物質」だとしている。

いささか衒学的かつ還元主義的な嫌いはあるが、内容としてはこんなものかもしれない。

ただ、「生物を物質としてみれば」の話であって、これだけでは生物をAIに見立てた「生物機械論」の世界だ。

一方で、生物を「エネルギーの持続的存在のあり方」として見る観点も可能であり、むしろそのほうが本質をついているのではないかとも思う。