シルビオ・ロドリゲス Silvio Rodriguez

 

シルビオ・ロドリゲス

1946年11月キューバ生まれ。

キューバを代表する歌手として知られ、「キューバのジョン・レノン」に例えられている。シルビオ・ロドリゲスはラテンアメリカの左翼のシンボル的存在となっている

彼の歌のいくつかは、ラテンアメリカ音楽の古典と称せられ、大陸のあらゆる場所で歌われている。代表曲はオハラ、プラヤ・ヒロン、一角獣、小鎚など。

その歌詞はきわめて象徴的であるにも拘らず強い説得力を持つ。ロマンチシズム、エロチシズム、革命・政治と理想主義を語っているにもかかわらず、それらは心の内と向き合う。

60年代後半からヌエバ・トローバ(新しい歌)運動の担い手として頭角を現した。

69年に、漁船「プラヤヒロン」号の乗組員として従事し、この間に「海の歌」、全62曲を制作した。その中に「オハラ」や「プラヤヒロン」という代表作がふくまれる。

彼の歌はラテンアメリカの民衆を鼓舞し、当時の独裁政権は彼の歌を放送禁止とした。民主化が実現した後、アルゼンチンやチリでは10万人の観客を集めた大コンサートが行われている。米国は長い間ビザを発給しなかったが2010年についにコンサートが実現し、各地で大きな人気を博した。



シルビオ・ロドリゲスはラテンアメリカで今もっとも評価の高い歌手と言っていいだろう。しかしもっとも理解し難い歌手の一人である。理由は歌詞が難しいからだ。

歌のほとんどは詞の抑揚に節を付けたようなもので、詞がわからない限りはその良さはわからない。

そもそもヌエバ・トローバというのは、「今風の祭文語り」という意味だ。

我々としてはその中から耳辺りの良さそうなものを選んで聞くだけである。したがってスペイン語のネイティブとは好みが相当分かれるだろうと思う。

もう一つ、シルビオのコンサートといえば10万人の大スタジアムで観衆が熱狂して聞くというスタイルが多いが、本来のシルビオはこじんまりとしたサロンで静かにじっくり聴き込む類の歌手である。

それが、こうなってしまったのには、ラテンアメリカ独特の政治的・歴史的経過がある。その辺の経過も飲み込まないと、門外漢が入っていくには相当抵抗があるだろうと思う。

以上、歌詞がわからなくても楽しめる曲を中心に選んだ。本場のランキングとはだいぶ違うがご勘弁を。

 それにしても、この人誰かに似ていると思ったら、プーチンだ。あれほど人相は悪くないが…

1.Playa Giron プラヤ・ヒロン

日本人なら、シルビオといえばこの曲だろう。

私には思い出がある。93年最悪の年、真っ暗なサンチアゴ・デ・クーバのプラサでそこだけ明るいソンの観光酒場。この曲をリクエストしたら、年寄り連中は首を横に振る。すると伴奏の若い衆が脇からそっと出てきて、「何とか歌えると思う」と言ってくれた。

歌い出したら、「何とか」どころではない。そのままハバナに行っても通用するほどの腕前だ。指力が強いのか、ギターの音が耳も割れんばかりに響き渡る。(あの頃は自動車など走っていなかったから、静寂に慣れてしまっていたのだ)

開け放たれた窓の外には光と音を求める黒山の人だかりだ。

2.Unicornio ウニコルニオ

シルビオの代名詞みたいな歌だ。文字通りには「一角獣」だが、飼っていた犬の名前だそうだ。正式題名はMi unicornio azul

3.La Maza 小槌

「もし信じないなら」という台詞が延々と続く、訳の分からない歌詞だ。

この3つがシルビオの御三家だろう(もう30年前の話だが)

最近の御三家はどうなるだろう。とりあえず3つ挙げてみたが、これでよいのか定かではない。

4.Angel Para Un Final

天使が終わりを告げる。二人の間には沈黙が、そしてやがて忘却が…

5.Quédate 

「行かないで、泣かないで」みたいな歌だ。シンプルで、およそシルビオらしくない。そこが良い。

6.Ojala のぞみ

えらく人気のある恋歌らしいが、どうもピンと来ない。

その他、やはり古いところが中心になる。

7.蛇の夢(Sueño con serpientes)

あまり気持ちのいい夢ではない。蛇が次々に現れて襲いかかる、しかもどんどん大きくなって最後には飲み込まれてしまう。胃袋を切り裂いて飛び出すが、そこにはもっと大きな蛇が…

8.Companera 同志の女性

9.Canción del elegido 選ばれた者の歌

ある男の話だ。彼は銀河の彼方、夜の太陽の中、嵐から生まれた。彼は天体から天体へとさすらった。新鮮な水と生を求めて、あるいは見知らぬ死を求めて…

彼はソロモン王の秘宝を発見した。それはアフリカではなく他の天体にあった。しかし宝石は冷たく魂を持たなかった。

最後に彼は戦争を探して地球に行った。それは衝撃だった。彼を最後に見たのは硝煙漂う戦場だった.彼は未来からの銃でならず者を殺していた、幸せで裸で…

以下は流し聞きしたなかでよさげの曲。

10.Eva

11.Yo fui una vez

12.Quien Fera

13.Te amare