福井地裁判決 要旨の要旨

1.はじめに

組織の責務: 一度深刻な事故が起きれば多くの人の声明、身体やその生活基盤に重大な被害を及ぼす事業には、その程度に応じた行動の信頼性がもとめられる。これは当然の社会的要請である。

生存を基礎とする人格権: 生存を基礎とする人格権は公法、私法を問わず、すべての法分野において、最高の価値を持っている。
それは裁判においても依拠すべき解釈上の指針である。

人格権と憲法: 人格権は憲法上の権利であり、13条、25条に規定されている。それは我が国の法制下において唯一、最高の価値を有している。

人格権そのものにもとづく訴訟の妥当性: とりわけ生命を守り生活を維持するという人格権の根幹部分に対する具体的侵害のおそれがあるときは、人格権そのものに基づいて差止めを請求できる。
なぜなら、
人格権は各個人に由来するものであるが、それが多数の人格権を同時に侵害するときは、差し止めの要請が強く働くのは理の当然
だからである。

2.福島原発事故について

3.原発に求められる安全性

原発に「万が一」は許されない

「組織の責務」に鑑み、原発に求められるべき信頼性はきわめて高度なものでなければならない。

大きな自然災害や戦争以外で、憲法の人格権がきわめて広範に奪われる可能性は、原発事故のほかは想定しがたい。

かような事態を招く具体的危険性が万が一でもあれば、その差し止めが認められるのは当然である。

安全性判断は裁判所の最重要な責務

福島原発事故の後において、この判断を避けることは裁判所に課された最も重要な責務を放棄するに等しい。

原発の新規性基準があったとしても、その事項について裁判所の判断が及ぼされるべきである。

原子力規制委員会は「錦の御旗」ではない

原子力規制委員会が新規制基準への適合性の審査を行っているが、適合性という観点からではなく、安全性にもとづく裁判所の判断が及ぼされるべきである。

4.原発の特性

5.冷却機能の欠陥

6.閉じ込め構造の欠陥